飾られたクリスマスツリー

A Christmas tree decorated.

9度は、これまでの1~9までの世界観の総称です。10からまた新たなグループが始まっていくからです。1~8度までで、それまでの流れが、形になり、固定化され、そして、圧縮が極まったものが解体され空となりました。

そして、次の9では、形のない世界、いわば、そのサインを哲学する。と言っても

いいと思います。

8までで経験してきたこと、五感を通しての形ある体験が終わり、何が形になったかを見てきました。9では、形のない世界からそれを眺めていると言っても良いかもしれません。

サビアンでは、9度はどのサインでも、そのサインの1~9までの第一ステージの学びを、哲学的に考察しているという風に捉えると意味がとりやすくなると思います。

例えば牡羊座の9度は水晶占い師のところでした。牡羊座の、形而上的なインスピレーションと意識の世界を8度で固定的にある程度使えるようになってきて、

発達した能力が9度の水晶からイメージを取る、という牡羊座の能力が卓越化されたときの世界観が描かれていました。

タロットカードの9は隠者であり、12サインでは射手座や9ハウスが該当します。

ここでは形ある世界を求めるのではなく、形のない、知というものを追い求めるのです。8で形あるものを手にした後は、私たち人間の意識は、形のないものへと向かいます。

そして、形のないものにもいろいろ種類がありますが、まず手始めに知を求めるのです。知を求める行為は、ダルマ(秩序)を求める行為なのだと思います。

宇宙の理を知りたい、という欲求です。

9の世界ではすでに形あるものを求めていませんので、8よりもさらに、

究極的な形でそのサインの職人化され極まった性質が出てくるのだと思います。

牡牛座9度では、飾られたクリスマスツリーというお話が出てきます。

クリスマスは、真冬の陰が極まった季節にある行事です。

きらきらとデコレイトされたクリスマスツリーは西洋の豊かな家庭が思い浮かびます。そして、暖かな暖炉に、大きなチキンと、ケーキ、プレゼントを交換し合う幸せな家族。・・・物質的にとても豊かな情景が浮かびます。

それとは対照にクリスマスは、季節柄、外は吹雪かもしれないし氷点下かもしれない、マッチ売りの少女のようなかじかんだ、凍えた人たちもまた、イメージされるのです。

煌びやかなクリスマスを過ごせる人とそうでない人が、必ずいるのです。

しかし、ここでは、豊かなクリスマスを楽しみ、物質的な楽しみを享受しているのです。

一つ前の、8度で、雪が降っていなくてもソリを準備しておくことで、

こうした豊かな生活をすることが出来るのだよ、という流れをこのあたりの度数領域では教えています。

私たちは決して、物質的に平等なんかではなく、持てるものもいれば、持っていない者もいる、そして、あらかじめ未来に備えておくことが出来た人が、

こうした豊かな人生を送ることが出来るのかもしれない。

まずは、自分自身の家の中の、自分自身の生活の物質的、経済的安定を

健全に育むことを学ぶのが、牡牛座のこのあたりのレッスンです。