恋人にセレナーデを歌うスペイン人

A Spaniard serenading his senorita.

26という数字は、3のエネルギーを土台にした8の表現です。

8とは、物質性の完成であり、ここで一つ形骸化し、形として見えるものがあります。

ある種、そのサインおける、形となって、はっきりと分かりやすい形で表れた事象が8とか、17とか26では描かれるのかもしれません。

26は、サインの流れの中で第6の最後のグループの始まりになります。

一つ前の25度で、すでに、そのサインの成熟しきった形として完成形を見ました。

意識は、25を区切りととして、そのサインのレッスンの全てを満了し、26度からの最後のレッスンで、次のサインと現在のサインを融合させ、その対比と、融合的な活用により、今のサインの最終レッスンを終わらせながら次のサインの準備を始めていきます。

26は物質性に関わる、形のある世界ですから、25度までに到達したそのサインの完成しつくした世界を、26度で、味わい尽くすとも言われます。

25度を最後に、26度以降はこれ以上のそのサインを成長させることも高めることもしません。ここからは、次のサインの準備となるのですが、26度では、じっくりと

今のサインの完成形を味わい、楽しむのかもしれません。

牡牛座26度では、スペインの伊達男が恋人にセレナーデを歌って、自分に惹きつけようとしています。

牡牛座は、他者が介在する世界ではむしろなく、自分自身の意志を貫き通すような独立した世界です。

ですから、自分の持ち物や領土は、他を蹴落としてでも死守するし、

自分の生活を守るための専門技術や、スキルは、必死で磨くのでした。

それはある種、頑固な職人を思わせます。

よく美味しいパン屋さんや、行列のできるラーメン店などにいる頑固な職人の店主のイメージで、こうしたところには時に、味は一流なんだけど、ほとんどお客に愛想を振らない、不愛想で、怖い印象の職人さんも多いものですよね。

美味しいものを出してるんだから、必要以上に愛想を振る必要はないし、

客に媚びを売る必要はない、という考えなのでしょうし、それでも美味しいものを出してるんだから、お客さんは、並んででも買いたいって思うのでしょう。

しかし、ある統計によると、モノを買うときに、何を基準にするか、どんな要素を大事にするかというのも、その人その人で、重要視するところが違うと言います。

店員の対応がどうでも商品が優れていること、を第一に重視する人もいれば、

商品の品質よりも店員の対応や、自分に対してのサービスを最も重視する人、

またほかにも重視する点がいろいろ違うようです。

ですので、職人とは、自分の技術一本で、食っていくことが出来る匠であると同時に、商人ではない場合も多いのではないか、ということです。

例えば、怪我をして腕を失ってしまって、美味しいパンを作れなくなってしまったら、どうなってしまうのでしょうか?

ここまでの

牡牛座の世界とは、究極的な専門性や、高い五感の感性が表現された芸術の世界などを、創り上げます。そして、その専門技術や芸術性をものすごい努力で継続し、生活の安定や経済の豊かさを獲得します。

牡牛座の更に発展した側面である、商い、の資質は、実はこの第6グループから描かれているのではないかと感じます。

例えば、先ほど書いたように、牡牛座は、自らの技術を究極的に高める努力をしますが、この第6グループからは双子座が流入してきますので、他者とのコミュニケーション、周囲との交流のニュアンスが入ってきます。

ここまでの美味しいものを作ってれば愛想を振る必要はない、といっていた頑固な職人が、愛想を振り始めるような世界観がここから描かれていきます。

スキルも最高級で、対人コミュニケーションも旨ければ、それはずば抜けた商いの成功の資質になるのではないでしょうか。

26度では、まだ、商いは始めるところまで行っていないのですが、自らの獲得している資質が技術が、人を惹きつけ、喜ばせるものなのだということに気が付き始めているのです。

なので、恋人の感情を動かし、自らに気持ちを振り向かせるために、自らの持ってるスキル(歌うというスキル)を効果的に活用し始めているのです。

ここまでの牡牛座の獲得してきた職人的スキルに、他者とのコミュニケーションは、

描写されてこなかったと思います。

自分のスキルを磨き、その技術で誰にも頼らず自立して経済的安定を図り、生活を守る。ということに意識が集約されていて、

周囲や他者が介在する雰囲気がほとんど見られませんでした。

腕さえあれば。

この頑固一徹な、牡牛座らしさがここまででよく見て来れたように思います。

しかし、この度数では、自分が何十年とかけて培ってきた専門技術を、

恋人を喜ばせるために、使い始めています。

自分の持っている技術を頑固一徹なだけでなく、もっと、有効に活用する術があることを、気づき始めている、始まりの度数なのです。