落下する飛行機
An airplane falling.

10の数字は、1~9までのストーリーが終了し、ゴールでもあり、スタートでもあります。ここで、終了する物語があり、ここから始まる物語もまたあるのです。

また、10は第2グループの1ですから、ここまでの9までの流れの中から 生まれてくる、運命を表します。 1から始めた、能動的なストーリーが、生み出す結果が10ということになります。


10は、ここまでの流れから起こる運命的な流れで、その運命的な流れが、また新たなストーリーを始めていく。そういうシフトチェンジの場面でもあります。

9度で、勢いよく放たれた矢が、10度で落下する。というふうに捉えたとすると、 この9度の矢と、10度の飛行機は、陰陽の関係にあるようにも見えます。

9度で上に向かって勢いよく放たれた上昇する矢は陽のエネルギー 10度で、落下する飛行機は、下降する陰のエネルギー。 私たちの世界では、この陰と陽の作用が、繰り返し起こっています。

陰のあとには、陽が起こり、陽の後には陰が起こる。これを繰り返しながら、 循環しているのです。

双子座のこのあたりの度数では、個人の知性が、鋭く開花し、目的に向かい 知性を応用的に使っていきます。

欲しいものを得るために知性を使う。情報を操り、波乗りする。
9度では、ギャンブルではなく、きちんとした意図のもとに、矢が放たれ、 確実に獲物を射貫きます。

しかし、この人物は、どれだけ徹底したリサーチのもと、確実に矢を射貫くことが 出来るとしても、そこに100%が無いこともまた知っているのです。


例えば油田を掘るという行為が成功確率が10%未満であるとすると、 この矢を放って、成功する確率は90%以上の確立であるとか、 ちゃんと認識して、分かっているということです。

では、その10%未満の確立に賭けるのか、90%以上の勝率に賭けるのかといったことを、常に、考えている状態なのかもしれません。

90%以上の勝率だとしても100%でないことも、きちんと分かっていて、 もし、残りの10%の敗因が作動したとしても、どのくらいの損益になるのか、も きちんと計算している状態と言うことです。

ですから、知識や知性だけで、全くリスクを取らない生き方とは、まるで違うのです。できうる限り、勝率を高める努力をした上で、最後の1%は運に任せる。 最後はギャンブラーである強さを忘れていないのです。


だから、9度の矢筒の度数は、一獲千金ではない、努力に裏付けされたリターンなのです。 このように努力に裏付けされて獲得された報酬は、人を不幸にしません。 宝くじ(勝率何万分の1の一獲千金です)に当たった人は不幸になるけれど、 この矢筒の人物は不幸にならないのです。
それは、やってきたことに裏付けされたリターンだからです。


では、次の10度では、矢筒の陽のエネルギーの後に来る陰の作用です。
6度の油田の世界観であれば、この陰の作用が来た時に、途端に破綻してしまうのです。お金の扱い方も知らなければ、ビジネスのやり方も人の雇い方も何も知らない人が、運で成功してしまったのですから、そのあとの、やり方など何も知らないのですから、当然のことです。


しかし、10度のこの度数では、落下する飛行機をしっかりと操縦しています。 もっというなら、意図として、飛行機をアクロバットのように急降下させているのかもしれません。

それだけの「技術と知識」がある、ということです。 上昇気流の時はそれに乗り、陰陽の法則である陰の流れが来たら、そこでドーンっと、破滅するのではなく、今度はその陰の流れに真っ先に乗っていく。

ともすれば、その陰の流れよりも更に早い勢いで飛行機を落下させて、 陰の流れからすらリターンを得る。

それは、双子座的な知性を完全に使いこなし、乗りこなしている証なのではないでしょうか。

真の知性の応用とは、陽の時だけ、成功して、陰になると途端に破滅するというものではなく、陽の時には用の流れを使って欲しいものを手に入れて、陰の流れが始まったらその陰の作用を使って、また成功する。
そうした在りかたが真の知性の活用と言えるのではないでしょうか。