生意気に自己主張する少女トプシー

A Topsy saucily asserting herself.

12の数字は、3が4つ、で構成されています。12は偶数でありながら、3の創造性と4の固定化するエネルギーが両方内包されています。

偶数ですので受動性なのですが、3の創造し生み出すエネルギーも含まれている数字となります。

12は、12サインであったり、12の干支であったり、地球の物質界の時間軸のシステムの中で、数多く登場する数字です。

12とか60という数字は、私たちの物質次元の時間軸に密接にかかわっており、

こうした数字は、物質性の中に、取り込んでいく性質のある数字です。

12は、そうした意味で、この物質界の法則に関わっている数字ですから、サビアンにおいても、そのサインの性質の、法則化された側面を見せてくるのです。

そのサインの性質を、ルールとか秩序とかというと4の数字が思い浮かびますが、

12になると、法則。といったキーワードが浮かんできます。

タロットカードの吊るし人のカードでは、手足を縛られて、さかさまに吊るされており、物質的な領域では完全に、手も足も出ない、八方塞がりな状態となっています。

名実ともに、どこにも出口がない、手も足も出ない状態なのです。

しかし、この12番のカードは、4と3が内包されており、創造性、生産性の意味あいがあるのです。

12は、第2グループの3の数字で、3の数字と拮抗関係にあります。

このさかさまに吊るされた状態のどこに創造性や生産性があるのか、と思いますが、こうした、物質的には手も足も出ない状況になって初めて、私たちの真の創造性が出る、ということがあるのです。

手が一本でも、足が一本でも動けば、私たちは、物質的にそちら側の出口に逃げることが出来ます。

手が一本動けば、その選択肢の方向に行くことができるからです。こうして、

もう一本の手が動かないこと、足が二本動かないことを、憂うのです。

それを、制限と感じ、自分は恵まれてないと感じるのです。

私たちは、大概、比ゆ的にですが、二本の手と二本の足が動く状況にあります。

しかし、その手の性能が悪いとか、指が一本足りないとか、そういうことを、

過大に制限として受け取って、その制限を憂うのです。

選択肢がたくさんあると、甘えるし、選べないし、文句が出るものなのかもしれません。

しかし、時に、まったく手も足も出ない、物質的な逃げ道が全くない八方塞がりな状況になることが人生にはあるものです。

そんな時に、初めて、私たちは、今まで出たことのない、創造性に開かれる。

手足を縛られて、さかさまに吊るされたからこそ、そうでなければ見えなかった

はじめて見る景色に出会うのです。

物質的な制限が極まり切った時にでる、真の創造性について言ってるのが

この12番吊るし人のカードです。

ですから、12番は、そのサインの世界観が法則化されています。

物質性の中に閉じ込められています。

そして、その閉じ込められていく制限が極まって行けば行くほど、

別次元から、創造性が、湧きおこってくる。そんな数字が12なのです。

サビアンの12度でもそうしたエネルギーが起こります。

そのサインの性質が完全に法則化され、凝り固まっていきますが、それが極まることで、そのサインの持つ、すさまじい創造性が発揮されてくる。

そういう世界観が、12度では描かれているのです。

双子座12度は、生意気な少女とプシーが描かれていて、アンクルトムの小屋に出てくる黒人奴隷の女の子です。

一つ前の11度で、力強く、未知の世界に足を踏み入れて、挑戦に出ました。

おそらくその踏み入れた世界では、熟達者たちや、熟練の玄人さんたち、

いわば、その分野における知識の王者たちが、たくさんいることと思います。

ここで、普通ならば、その熟練者たちのやり方に、迎合し、新参者は、先輩たちの長年のやり方に沿っていくのが普通でしょうし、

知識の世界が法則化された場面が双子座の12度ですから、

知識の法則の中に飲み込まれていきそうなところです。

しかし、ここでは、新参者でしかも、まったく生まれも育ちもサラブレッドでない、

黒人奴隷の少女とプシーが、その熟達者たちに、自分のやり方を、勢いよく、

主張していきます。

ちゃんと、大学を出て、大学院を出てその分野の基礎知識を踏んで、国家試験を取ってから、その世界に新入社員として入ってきたような、まっとうな経路をたどってきた新人であれば、絶対にできないし、やらないようなことを、

この少女トプシーはやってのけるのです。

双子座とは、個人の個性を、この世界の中で生きていくために、主張し、

迎合しないサインです。

新しい考え方、生き方、自分らしい個性を生きるために、そのサバイバルを生きるために、学ぶのです。知識を得るのです。

ですから、ここで出てくる少女トプシーがやってしまうことは、その業界において、とても危ういし、先輩たちから村八分にされてしまうようなことかもしれない。

でも、彼女はサラブレッドではないけれど、生きる力と、生きてきた経験値がとても高いのかもしれません。小さいころから、親の手伝いをしながら、その分野のことを、机上の空論ではなく経験として、学んできているのかもしれません。

ですから、教科書に書いてあるようなことが、ちゃんちゃらおかしいと思うのかもしれません。先輩たちですら実践の経験では及ばないようなことを彼女は知っているのかもしれません。

こうした強い主張をすれば、周りからは、浮いてしまうし、やはり出る杭は打たれる、ということもあるでしょう。

鼻っ柱の強い、迎合しない者は、どうしたってそのように扱われます。

しかし、それが双子座12度で示される、双子座が、秩序化され、法則化され切った後に来る、飽和と、突破とは、こういうことなのでしょう。

知性の固定化を、新しい知性で、打破していく。

そのことで、自らの個性を失わせない生き方こそが、とても双子座らしいと感じます。