労働者のデモ
A labor demonstration.
21度は、サビアンにおいて、5度区分ずつの6つのグループにおいては、
第5グループの始まりの度数です。
第5グループは、サインの後半において、20度までで完成させてきた、
反対側のサインの陰陽の向こう側の性質を受け入れ、一度大きく挫折した後に、
より、成熟した形で、そのサインの成長を果たしてました。
そして、20度では、環境的な要素に振り回されなくなり、だんだんとこのあたりから、環境という素材を使って、創造を始めるような度数領域になってきます。
21は、9で進むグループにおいては、第3グループの3番目の度数ですので、
サビアンにおける21度は、そのサインの中で、最もテンションの高い、活動的な度数のうちの一つです。
進む、動く、パワーモード、そうした性質が、そのサインの性質と合わさり、表現されているのが21度です。
双子座21度は労働者のデモ、となっており、なんだか穏やかではありません。
双子座8度で、労働者のストライキ、となっていて似た感じのキーワードですが、
8は、偶数で、ここまでの経過がある種、ここで形骸化した、形になったという現れであり、ストライキは止まってそこに留まる、動かない、働かない、働くことを放棄するという、留まる形での反抗なのですが、
21度は奇数ですので、何か、行動的に、意志を訴えかけている雰囲気です
デモンストレーションは、街を練り歩いて、自分たちの意見を声高に叫ぶイメージでもあります。
8度より、こっちの方が、活発なイメージです。
一つ前の20度は、カフェテリアでしたが、ここでは、あらゆる意見の人たち、
いわば、あらゆる知が、ここに集まって、ひとところで共存していました。
こうした風景って、見方を変えれば、都会ではどこでも起こっているのではないかと思います。
閉鎖的な田舎町で、こういう風景ってまず見られないかもしれませんね。
それぞれがそれぞれの意見を持っていて、皆が知的で、それぞれが違う意見であることを認め合っている、そういった在り方って、都会ならではなのかもしれません。
田舎町だと、隣の人が、何を考えているか、どういう意見を持ってるかが、
すごく気になるし、皆と同じ考えを持たないと、排除されたり、村八分にされたりすることもあるでしょう。
そういった意味で、都会では、良くも悪くも、周りの人が何をしていようが、どんな考えを持っていようが、気にしない、気にならない、というところがあるのだと思います。
都会には、様々な国からたくさんの文化が集まり、いろいろな肌の色のいろいろな言語を話す、様々な違う考え方、情報がたくさん集まってきます。
それが、飽和状態になっている風景もまた、一つ前の20度の度数では、感じられるのです。
一つ前の20度の度数では、知の豊穣、知の極みに、達した状態が、感じられました。こうして、私たちは、あらゆる分野の知的体系を、柔軟に受け入れたり、分類したりできるくらいまで、知的学習を進めて来た時に、こうしたカフェテリアのような、楽しくて穏やかで、究極的にワクワクする状態になることが出来るのかもしれません。
しかし、21度のこの度数では、そうした知の究極的な状況に至るために、
かなり無理を要していることもまた事実なのかもしれません。
双子座は、個人の知的能力を、限界まで成長させることが、サインのテーマですから、ここまでずっと、それを一生懸命、やりすぎるほどにやってきた経過があったと思います。
知的探求で無理がかかりすぎて、体や精神が悲鳴を上げてしまったり、
都会的な活動における、仕事や、自己実現が、限界に達して、疲れてしまったり、
そういった状況をこの度数では、示しているのだと思います。
私たちは、知的探求をするとき、また、あらゆる情報に日々触れて、
自らの仕事や人生を成功させようと頑張り続けます。
情報を制する者は人生を制す、とばかりに、毎日、知的学習に明け暮れ、情報収集にいとまがありません。
こうした自己実現、成功、目標達成に向かい、頑張り続けていくと、必ずどこかで
疲れが出て、ストレスが限界点に達してきます。
私たちは頭の活動と、肉体や心の活動のリズムがそれぞれ違うリズムで流れているということを知る必要があります。
精神や意志の活動は、肉体や感情のリズムに比べて、とても早く俊敏です。
意識や精神は、どこまでも先へ先へと、私たちの肉体や心を追い立てます。
しかし、肉体は休まねばならない、必ず休息を必要とします。
また心も、いろんなことを感じたり、想ったり、好き嫌いとかもありますので、
頭で考えたようには、なかなかついてきてくれないのが、この下位の波動領域だったりします。
ですから、こうした上位領域の自分と、下位領域の自分とが、うまく連携していないと、どこかで歪が出てしまうものなのかもしれません。
21度では、双子座的な、ロジカルシンキングや、知的な活動が、ある種、限界地点に達したのだと思います。
そして、そうした限界の辛さを、更に、デモという激しい運動を起こして、
自分の意見を、町中で練り歩き叫んで、訴えるというテンションの高さあたり、
双子座の、キレてるモードを思わせます。
知的疲れを、更にデモを起こして、訴える、という、あたりが、21度の双子座のテンション振り切れ感を、見事に表しているな、と思います。