森から出てくるジプシー
A gypsy coming out of the forest.


27は、土台に3をおいた9の数字となりますので、これまでの常識や、形あるものとして認められていた世界から、別の次元での活動性を意味する数字となります。

9は8の物質性の完成した世界から、離脱し、心や精神といった見えない世界も、同時に感じ、深い意識の世界を探求していく数字でもあります。

そして、27は、3が土台にあるので、何かを生み出すのです。 サビアンの27度は、まもなく今のサインが終わる頃で、新しい世界が生み出されていくのだけど、それは、明らかに、次のサインを意識しているのが見て取れます。

生み出すことによって、次のサインの性質に変幻していく。そうしたシフトチェンジの準備が始まっている度数でもあると思います。



双子座の27度では、森から出てくるジプシーとなっています。 ジプシーは、中世頃において、ヨーロッパにおける移動型民族の総称で、様々な地域を渡り歩くものを比喩する言葉として現代では使われているようです。

ここまで双子座の物語では、21度で、都市生活に限界を感じ、病んでしまい、

22度で田舎に引きこもった流れがありました。
そこから、
23度では木の上の3羽の雛
24度では、氷の上でスケートをする子供たち
25度で、パームを刈る男
26度で、森の中の冬霧


ときて、ずっと、なんだか、森の中で過ごしてきたような印象があります。


森の中とか、自然環境の豊かな場所で、最初は、人間らしい生活を取り戻し、 健全な心身を育み、そして、自然と共にある生活の中で、また都会では経験できなかった、田舎暮らしのタスク。忙しさ、のようなものも経験してきました。


都会暮らしは、忙しいとは言っても、何でもお金で解決出来たり、電化製品がやってくれたりするのですが、田舎暮らしはなかなかそうはいきません。
自分で手をかけて、時間をかけてやらなければいけないことがたくさんあり、 逆に都会生活より忙しかったりするのです。


こうして、都会暮らしの良いところも田舎暮らしの良いところも両方経験してきて、 物事を多面的に統合的に、見る視点というのを得た過程がここまでで描かれていたと思います。


とりあえず、何でもかんでも、やってみた世界観でもあったと思います。 何でも経験してみる、未知のものは体験してみたい、それが双子座なのですから。

そして、いろんな体験を経て、自分だけの普遍的な考え方とか、真理とかを 持つようになったのだと思います。

知識が知恵に変わり、それを、今度は受け身ではなく能動的に人生に生かしていくところまで到達してきました。


一つ前の26度で、極寒の、生命が全て死に絶えたような森の中でも、自らの知恵によって生き延びることに成功した人物は、自分に自信が出てきます。
単なる知識の寄せ集めであった場合は、それを生かして逆境の冬の森を生き延びることはできなかったでしょう。


こうして、この人物は、自分の知恵を生かせば、どこに行っても生きていけるのだ、という自分に対する信頼感が出てきますので、一度は負け犬で、逃げてきた都会にまた戻って、新たな再挑戦をしてみたくなるかもしれません。


また、例えば、拠点は田舎に置いたままで、インターネットやyoutubeなどを駆使して、自分の人生や活動を世界に向けて発信することで、社会との関わりを、 能動的に持っていくかもしれません。


それまでは、森の中で、内的な体験に勤しんできた双子座の世界観も、 ここに来ると、自らの都会に挫折した経験や、田舎で取り戻した自らの人生、 そんなマイストーリーをすでに持っていて、自分だけの英知を携えています。


森から出てくるジプシーは、また都会に戻ったからといって、 今までと同じように、満員電車に揺られて、サラリーマンをすることはもはやないのでしょう。

農作業着と、ひげもじゃのほっかぶりのまま、自分らしさをもって都会や社会に挑戦を仕掛けていくのかもしれません。