男の頭
A man’s head.
獅子座の個人の創造性と魂の発見の世界が終わり、最後に、魂の系譜が書かれた手紙が開封されました。
その手紙には、魂の一瞬の煌めきのような光の一点を、解凍ソフトにかけて、
行動計画とか、やることリストとして、分解してみると、それは沢山の、物質的作業があることが分かったのでした。
魂とは、光そのものですが、その情報量は無限大で、膨大です。
そして、それは、一人一人が他とは全く違う、その人にしかない個性があるのだと思います。
獅子座は5番目のサインですから、5の数字のエネルギーを持ちます。
5は黄金比率で、人型の形状をとります。
5は、4つ足(情動性、本能性)に、一つ(知性が)加わって、人間となります。
人間の様態とは、数字の5で表されますので、獅子座は、人間としての魂の性質について、の場面なのです。
これに対して、乙女座は6番目のサインです。
6の数字は、周りに協調し、周囲と調和をとろうとする数字のエネルギーです。
5は個性を発揮し、周囲に影響を与えるのです。ちなみに黄金比率である
フィボナッチ数列を持つ自然界のものは、形を変えずに拡大する、という性質を持つと言われます。
周囲からの影響で形を変えるのではなく、自分の影響で周囲に変化をもたらすといっても良いかもしれません。
これに対して、6は、自分と周囲との境界線を見つけて行こうとする段階で、
まだ相手との平等なやり取りを獲得していませんから、
周りとのバランスを取るために、自分自身の形状を変化させることもするのです。
牡羊座から乙女座までの6サインは、ここまでで、個としての境界を見つけていく
流れになります。乙女座は、その最後のサインですから、ここで、自分自身の物質的な境界を探り、発見していかなければいけないのです。
自分自身の境界が分からない、ということは、当然、他者の境界も分かりませんから、犠牲になったり、境界を侵したり、といったことも出てきます。
またそれだけではなく、自分と相手の境界が分からないからこそ、
相手のニーズを分からないなりに想像し、尽くす、奉仕する、ということも出来るのです。
良い言葉で言えば、奉仕ですが言葉を変えれば、奉仕とは犠牲の紙一重になります。
ですから、乙女座の世界観である、境界についての感覚を、このサインでは、しっかり落とし込んで頂きたいと思います。
境界がまだあいまいだから、起こること。
それについて、いろいろなサビアンを見ながらイメージを是非、深めていってください。
獅子座は、魂の世界ですから、目に見えない、輪郭の無い、非物質的な高次の世界について触れていくサインでした。
しかし、次の乙女座では、その獅子座で発見した魂の光を、形にしていく、実際に作業していく、繰り返し訓練し、ルーチンをこなしていく、場面ですから、
非常に「形」に拘る性質になります。
目に見える形がどうか。ここを詳しく調べて、追求していくことで自分の輪郭を獲得していこうとするのです。
そもそも、個としての輪郭などというものは、魂の世界には存在しません。
物質界を一つ飛び出れば、そこは既に、境界のない世界です。
感情の層も精神の層も、既に境界は存在しなくなってきます。
他と交じり合うようになってきます。
しかし、なんというか、魂の領域は、非物質的な世界ですが、絶対的な個としてのイメージが、在るのだと思います。
自分の輪郭はここまで。なんて定めなくてもその存在性は侵しがたいもので、
時空を超えた永遠性なのだと感じます。
しかし、私たちは、肉体を持って、この物質界に生きる限り、時間と空間の法則に
従うことになります。
これは、まさに境界を設けるということに他ならず、肉体のレベルでは私たちは、はっきりと個体、個体に分かれています。
こういった物質的な差異を確認していくことで、この物質界で魂の個性をどう表現していくかということなのだと思います。
創造とは、下降である。
と言われますが、肉体領域に下してきたときに、どんな形として現れるか、ということなのだと思います。
しかし、そういった魂の性質とは裏腹に、私たちは体の見目形だけでなく、
肌の色とか、国籍とか、学歴とか収入とか、ありとあらゆる、細々とした物質的な差異で、個人をレベル分けし特定しようとします。
こうした物質的な境界が織りなす、人間の意識の稚拙さについても、
このサインでは学習していくことになります。
現在はパイシス(魚座時代)であり、今、魚座時代を終わろうとしている私たちは、
魚座の反対側のサインである、乙女座の意識を学習することで魚座意識を獲得していこうとしています。
獅子座の個性を乙女座で形にする。
そのような流れをとっていきます。
乙女座は柔軟宮の地のサインですから変化する大地、となります。
自然界とか、物質界というのは、長い時間をかけて少しずつ変化していくものです。
その変化はとてもゆっくりとしたものだけれども、変化しないものは無いし、
変わりゆくことは普遍性です。
太古の歴史から、私たち人間も、狩猟採集時代から、農耕技術を獲得し、
そして、文明を生み出し、変化してきました。
そのダイナミックな大きな変化とは、たった一日で為されたことではなく、
沢山の人たちの生活の営み、日々の繰り返しのルーチン、毎日の仕事の積み重ね、といった、「繰り返し」にあったに他なりません。
物事を形にするとか、変化が起こるというのは、
魂の閃きだけでは、どうしようもないものなのだと思います。
もちろん、一瞬の閃きが、根源になっていることは必要です。
その閃きが無ければ、何一つ、形になることもないし、生み出されることもないからです。
しかし、閃きだけでは、決して形になることはないのです。
それは、時間と空間の法則という、物質性の中で、動くこと、行動すること。
が必須となってきます。
そして、その「作業」とは一回来っきりではなく、「繰り返されること」が、更に必須となってきます。
沢山の人の日々の営みが、繰り返されることによって、私たちの地球も文明も変化してきました。
その「繰り返し」とは、ただ、やみくもになんの意図もなく、行われることは決してないのです。
そこに、沢山の人の意志があり、意図があり、イメージがあるから、繰り返されるのです。
その、日々、朝から晩まで長い年月繰り返されることが、変化を起こすし、
自然界も、そうして、長い年月をかけて、形状を変えて行ったり、
環境や生態系も変わっていったりしているのだと思います。
乙女座では、そうした、一日単位で見れば、なんにも変化しないように見えても、
長いスパンで見れば、とても大きな変化となっている、といったような世界観における、その「1日1日」について、描写しているサインとも言えるのです。
なので、乙女座は「細かな視野」を持ちます。
シュタイナーの12感覚論では、乙女座は視覚を司ります。
物質的な形状の差異とか、緻密な違いとかを、見分け、分析する能力なって
現れて来るのです。
乙女座の視覚は、下界の形あるものたちへの興味に溢れています。
ですから、細かい違いも見分けることが出来るのです。
こうした乙女座の性質が、どのようにサビアンで現れて来るのかを、これから
確認していくことになります。
乙女座1度のサビアンは「男の頭」という風になっています。
まず、サビアンのキーワードのイメージとして、男が出てくるときは、男性性の性質ですから、これは、火の性質と、風の性質になります。
火は直観力や集中力、瞬発力などで、風は、論理性や、思考力などになります。
ですから、例えば、男性は、物事に一点集中して、能率を上げることがとても得意だったり、感情的にならず、ロジックで物ごとを考えることが得意だったりしますよね。
それに対して、女性は、複数のことを同時にこなすことが得意だったり、
思考やロジックではなく、どう感じるか、に、重きを置いて物事を考える性質を持ちます。
なので、よく、女性が悩み事を話す時、解決策を論理的に提示してほしいわけではないことが多く、ただ、話を聞いてもらって、共感してもらいたいというだけだったりすることも多いですよね。
でも、男性は、論理的に答えを示してあげる方が親切だと思ってたりするので
食い違いが起こったりするわけです。
また、子育てや育児の場においても、女性は、複数のことを同時にこなすことが得意な人がとても多いですよね。子供にミルクをあげながら、鍋をかけながら、パソコンで仕事をこなす、なんてことも出来てしまうわけですが、男性は、こうなると混乱してしまう人が多いように思います。
それよりも、一つの仕事に集中できる環境を作ってあげた方が、本来の力を発揮できる場合も多いのかもしれません。
乙女座の1度は、男の頭、というキーワードから始まりますから、
これから始まる世界が、この男の頭の性質を持つということがとても分かります。
地のサインは、女性性ですが、左脳的で、現実的であり、保守性です。
そうした地の性質に、男の頭という、論理性や、一点集中力が合わさってきます。
ですから、乙女座は、木を見るのはとても得意だし、木の一本一本の形状や個体差を見抜くのは素晴らしいのです。
が、逆に、木を見て森を見れない性質もまた乙女座の性質でもあります。
この度数に関連すると、位置する惑星にもよりますが、形状の緻密な違いや、差異を見分ける能力なって現れてきますから、絵やイラストを描いたり、緻密な作業を求められる職業などの人は何らかの場面でこの乙女座1度を持っていることが多いです。