メリーゴーランド
A merry-go-round.
この度数から乙女座のストーリーを5度区分ずつに分けた第2グループに入ります。サビアンの6グループの中の第2グループは、2の性質を持ちますので、
これまで5度までに、描かれてきたそのサインの純粋な凝縮された物語を一旦終了させて、ここからは、その純粋な最初の物語を客観的に眺め、感じていくテイクに入ります。
自らの資質を、客観視し、深く受け止める事によって、第3グループでは更に大きくサインの性質を、高みへと跳躍させていく流れに入って行きます。
第2グループはそう言った意味で、一旦、内に入る、内省する、といった性質になると思います(そのサインの性質にもよります)
一つ前の5度では、妖精の夢を見ている男が描かれていました。
乙女座の論理的、現実的性質と、直感的でスピリチュアルな性質が対比され、
融合した世界観が描かれていたと思います。
乙女座のテーマは、獅子座で触れた魂の資質をこの物質界で、一つずつ形にしていくことになります。
そのために、他者と関わり、社会に参加し、世界と関わりを持っていくことになります。
しかし、牡羊座から乙女座までは、あくまで自分自身の資質を育てるサインで、
天秤座からが他者との本格的なやり取りが始まっていくサインです。
ですから、乙女座までは、他者とのやりとりが始まってはいますが、本当の意味ではまだ、自分だけの世界なのです。
自分だけの世界の中で他者のニーズや気持ちを想像する。
そして、自分の中でイメージされたもので、他者と関わる、世界と関わっていく。
これが乙女座の資質です。
ですから、相手がしてほしいことがこうに違いない。と自分で想像して、
関わりますから、よくも悪くもいろいろな行き違いが起こって来ます。
相手はこうしてほしいに違いない。と決めて関わることで、自分を犠牲にして
エネルギーを切り売りしてしまうことになったり、
相手の真実は分からないのに、あの人はこうに違いない。と決めてかかることで、
相手を傷つけてしまったり、蔑んでしまったりすることも当然起こって来ますよね。
乙女座の世界との関りの本質を理解することで乙女座魚座ラインの元型(アーキタイプ)が理解できると思います。
乙女座は6番目のサインです。
6は、周囲との調和、バランスをとる数字のエネルギーを持ちます。
乙女座の世界との関わり方が、バランス、調和、にあることが6の数字から
その根本性質が感じ取れるのではないでしょうか。
6は、相手のニーズをくみ取り、あくまで合わせる。性質なのです。
次のサインの天秤座は7のエネルギーを持ちますから相手と平等なやり取りをしながら、自分のニーズを、満たしていくことを目的とします。
でも6の乙女座はあくまで譲る性質なのです。
だから、どちらかが犠牲になったり、搾取されたり、といったことも起こってくるのです。
私たちの世界は、こうしたやり取りは日常のどこにでも溢れているものだと思います。
6の性質を持つコミュニケーションは、自分を犠牲にしても相手の為に尽くす、といった美しい世界を講じることもあれば、犠牲になり燃え尽きてしまう、恨みあってしまうといった、地獄絵図になることもあります。
ですから、この6度の度数は、6の性質を持つ乙女座というサインを理解しながら読んでみると良いのではないでしょうか。
乙女座の最初の物語では、この目に見える現実世界に降り、自らの魂の資質を
ビジュアライズさせ、形にしていく作業が始めました。
魂の資質やイメージは「明確にビジュアライズされること」によって、行動指針に落とされ、形になっていく最初のステップを踏みます。
逆に言うと、明確にビジュアライズされないものは、現実にならないのです。
乙女座は、視覚を司るというお話をしましたが、この脳裏に描く、イメージする、
くっきりと色彩豊かに、映像をビジュアライズする。そのイメージが明確であればあるほど、現実化していくことが可能になります。
描く能力。とでもいうのでしょうか。
そうしたものが、必要になるのだと思います。
そして、その目に見えない世界から受け取ったインスピレーションや、
描かれたイメージを、形にする現場は、あくまで物質界になりますから、
そこに、そのイメージを下ろしてくることになるのですが・・
3度で登場した天使も、5度で登場した妖精も、ロジックの男。が、この物質世界で、活動をするときにサポートしてくれる存在で、目が見えなくなったように手探りの状態に堕ちてしまった私たちに「示唆」を送ってくれる役割をしてくれているのです。
私たちの五感で捉えられる領域には、限界があります。
というか、その領域はとても狭いのです。
高次のセンサーを使えば、私たちは何でも、分かるのですが、
五感の機能だけを使って捉えられる、理解できるものは、本当に狭い範囲のものなのです。
だから、妖精や天使と繋がる時も、五感が目覚めている起きているときではなく、
アストラル体に、トリップしている夢の中だったり、瞑想中だったりするのですよね。
こうした微細な波動に載せられたイメージやインスピレーションを常にダイレクトに受け取ることが出来れば、私たちは何の苦労もないのですが、
肉体を持ち、感情を持ち、生きるこの物質世界では、取り違えることもあれば、
全く、微細なものを受け取れなくなってしまっていることも多いのではないでしょうか。
形あるものが全て。五感で受け取れるものだけが真実。となってしまうと
本当に、それ以外のところにあるものを受け取れなくなってしまいます。
メリーゴーランドは、虚構の世界を容易にイメージさせます。
メリーゴーランドは遊園地にあって、着飾られた馬や馬車が沢山の電光にあてられて、同じところをクルクルと周っています。
遊園地というものがそもそも、虚構の世界を人間のできうる限りの技術とアイデアを駆使して、創り上げた、なんだかとても物悲しい場所だと思いませんか。
遊園地は、とても楽しい場所。という風に、イメージづけられていますが、
実は、とても物悲しい場所だと思います。
私たちは、造られた虚構に頼らなくても、内側からいくらでも、キラキラとした世界を創り出すことができるのだけど、
五感の領域に堕ちていると、誰かが作った虚構のパラダイスに楽しみを求めたりするものです。
そういった意味で、私は幼い頃から、両親に遊園地に連れて行かれると、
なんだかとても悲しい気分になったのを思い出します。
乙女座6度のこの度数は、そういったことから、乙女座の五感の領域でのイメージ力の最初のレッスン。のような印象を受けます。
獅子座という魂の甚大な世界から、体一つまとって、たった一人でこの地上に落ちた様子をイメージしてみてください。
それまでの魂の記憶は忘却され、時間と空間の法則の中で、とても細いおぼろげな記憶を辿って、魂の意図を、ここで体現していこうとしている・・
かつてのような、どこまでも広がる叡智や、意図の力は、一旦忘れてしまった私たち。
五感の領域だけで、何かをイメージし、作ってみなさい、形にしてみなさい。と言われて、最初に作った、作品がこれ。メリーゴーランド。
そんな印象に見えて仕方がないのです。
乙女座は、環境に調和するサインだとお話ししました。
環境とは、ここでは肉体です。物質界の法則です。
その制限の中で、そこに調和し、合わせていく。
認識できるものは肉体と五感。
初期のころは感情に全く無意識です。
そして、感情から先の世界については全く忘却中。
そんな中で、必死でできうる限りのイメージをして作ってみた作品がこれ。
私たちの魂の自由さとか、遊び心とか、喜びとか、煌めきとか、美しさとか、
本当はこんなものではなかったはずなのですが、
制限された道具だけで、作ってみるとこうなりました。みたいな感じです。
だから、一見、楽しそうに見えるけど、一見、ウキウキワクワクな場所に見えるけど、
行ってみると、なんだかとっても物悲しい、寂しい気分になる、遊園地。
そしてその最たる象徴の乗り物がメリーゴーランドといったところでしょうか。
遊園地やメリーゴーランドに限らず、私たちは人生の中で、こうした
他人によって造られた虚構の楽しみ、を、楽しいもの。と思い込まされて
お金や時間や労力を投じていることが多分にあるのではないでしょうか。
楽しいと思い込まされている。
皆が楽しいと言っているから、自分も楽しいと思う(ような気がする)
でも、自分の本当の本当の気持ちを探ってみたら・・
メリーゴーランドは、悲しくないですか?
私たちの喜びって、こんなものでしたっけ?
ここから乙女座の「形にする作業」の最初のステップが始まっていくのです。