火のともったろうそくを運ぶ若者
A youth holding a lighted candle.
サビアンにおける4度は、3度で生まれいでた者が、4度で、定着し、形骸化します。
ここで1~5度までの、サインの初動の純粋な物語が、4度で、一つの形となり、着地点を見るのです。
また4度は、深くそのサインの性質に潜り込んでいくというニュアンスもあります。
1~3度までの発露したものを、深いところに定着させていくというのが、4度の特徴だと思います。
蠍座3度では、1~2度までで、はらわたのすべてまで見せ合った相手と、
共に、生きていくことを決めた覚悟に対する、祝祭が行われていた場面でした。
人生最大の買い物である、家を買い、その家を、共に守っていく、共同者としての覚悟を決め、それを祝ったのです。
結婚するという行為は、それにあたるのではないでしょうか。
ある有名女優さんが言った言葉に、結婚なんて若いからできるのよ、
物事の分別がついたら、結婚なんてできなくなるから、早いうちにした方がいいと言うもの。
本当にそうだと思います。
他人と、全ての人生を共有する、それが結婚ですから、途方もないリスクを孕んでいることでもあるのです。
日本は、まだまだ結婚制度が当たり前に受け入れらている国民性ではありますが、フランスなどではパックス制度というのがあって、
現在、60%の人がこのパックスにより、内縁関係で家庭を築いているようで、年々増えている傾向にあるようです。
パックスは、結婚よりも、簡易的な手続きで済み、そのうえで税制上の優遇を受けられたり、二人の間の子供を法律上、二人の子供として認められるなど、便利な制度になっているようです。
ただ、どちらかが亡くなったときに、財産相続の権利はないなど、
結婚制度とは違う、簡易的な繋がりがこの制度なのだそうです。
フランスでは、このようにして、最初パックスで、家庭を築き、
何十年も一緒に暮らしてみて、本当にこの人と一生、生きていくという
覚悟ができてから、晩年期になって初めて結婚して籍を入れる、という人が増えているのだそう。
結婚はそれだけリスクになりえるものなので、このような、結婚前に、一段階踏める制度があるのは、とても良いことだと感じます。
日本では、若い男女がどんどん結婚しなくなっているのも、こうした背景があるのだと思います。
何も分からない若い時期じゃないと結婚などできない、本当にそうだと思います。
自立した、社会性を持つ人たちが女性でも男性でも増えてきている現代社会ですから、結婚の形もこのように変わっていかなければいけないのだと思います。
蠍座4度では、火を持ったろうそくを運ぶ若者、という度数になっています。
3度の棟上げ式で、共に生きていくことを、誓い合ったもの同士が、
その出来上がった新居で、盃を交わし合っているような場面なのだと思います。
その道の人たちが、自分たちは、親子であり、兄弟であるという、契りを交わすために、指を切って、血を垂れ流し、その盃を飲み、交わし合うという、
極道の儀式などを映画などで見たことがある方もいると思います。
何があっても、これからも共に生きる、この命が尽きるまで・・
そういう契りを交わしているのがこの場面です。
この人と生きていく。
例え何があっても、この命を捧げても、共に生きていく。
蠍座とはそういう世界観なのです。
ですから、そのくらいの覚悟がないと結婚など、するものではないと、私も感じます。自分の内臓をあげられる相手とでないと、そうすべきでないとすら思います。
そんな、綺麗事すべてを抜きにして、交わし合う契りの世界・・
それが、このろうそくを運ぶ儀式に示されているのです。