荒れた水の上を飛ぶ白い鳩

White dove over troubled waters.

20度までに、目に見える現実や、常識といった古い概念を手放して、その背後にある神秘的な事柄に目を開かれていった過程がありました。そして、その直感的な鋭いインスピレーションを獲得するところまでが20度までの第4グループのストーリーでした。

これに対して、21度では、20度までに獲得した鋭いインスピレーションによって、

揺るがない印象。をリアルに感じられるようになったのです。

一つ前の度数では、古い書物の中に、しっかりと真実を見つけ、力強く自信をもって指を指すことができたのです。

21度では、自らが直感的に感じていることが、古い書物や経典の中に、存在するのではないかと、探し始めるとても牡牛座らしい姿が描かれていました。

21度は、創造性であり、男性性の元気な度数ですので、牡牛座が成熟したが形で活力を帯びると、経典を探求し始めるんだな、ということになります。

古い時代の人たちの言葉の中に、自分が今感じている印象をはっきりと見つけるのが21度だとしたら22度は、受動的な在り方になります。

21度で、膨大な経典や聖典、神話などを学んだ牡牛座の意識は、22度では、今度は人生や日常生活において、その知識を応用的に活用するようになります。

それは、直感に裏付けを得た牡牛座の自信なのかもしれません。

恐らく牡牛座は、直感を獲得しただけでは、その信憑性を自分自身の中で、信じ、人生に生かすということが、少しはばかられるのかもしれません。

古代の膨大な叡智の中に、それを見つけることで、どこか安心して、それを活用することを自分に許すことが出来る。なんとも真面目です。

例えば、チャネリングで何か宇宙のメッセージを受け取った時、牡羊座的ならば、そこに証拠や論証が何もなくても、俺か俺以外か、みたいな感じで、自分の受け取ったものを自信をもってそのまま活用するのかもしれません。

しかし、牡牛座は、自分が感じていることの、歴史的裏付け、目に見えて五感でキャッチできる「証拠」を求めるのかもしれません。

22度では、荒れた水が出てきますので、感情が揺れ動いている様子がまず描かれています。感情が揺れ動く、という人生において、知性的でなくなるとき。ともすれば感情のままに動いてしまうことは時に人生を壊しかねません。

感情が動く。とは、そういうことなのだと思います。

そうした感情。というものが入ってしまった事象において、知識を活用できて始めてそれは、本物の智慧になるのだと思います。

いくら頭で知識を詰め込んでも、それを人生に活用できなければ意味がありません。感情が動くようなそんな時に、知識を活用できて始めてそれは、本当の智慧なのだと思います。

白い鳩、とは、古来からメッセンジャーであり、幸運を運ぶものといった、イメージの象徴です。それは天界からのガイダンスとか、メッセージを運ぶような印象かもしれません。

水が荒ぶり、感情がざわざわと蠢くようなそんな時に、天界からの印象を、スッとキャッチできる。そんな風になってこそ初めて、知識が智慧になり、人生に生かせるようになるのだと思います。

この度数ではそうした様子を、波立つ水の上を、スーッと一羽の白い鳩が飛ぶ様子で、描いているのだと思います。

22度は、21度に対する受動的な態度だと書きましたが、牡牛座の成熟した受動性とは、こうした膨大な古典的知識の後に来る、白い鳩(天界からの直感)を、受け取るという、形で象徴づけられているのかもしれません。