森の中の冬霧
Winter frost in the woods.

26度からは、5度区分ずつの6つのグループ分けにおいては、最後のグループである、第6グループに入ります。


25度までで、双子座のストーリーの完成形を見てきましたが、この度数からは、 少しずつ、双子座の解体が起こっていきます。

そして、それに伴って徐々に次のサインである、蟹座が少しずつ流入してくるのを感じるのです。


26度は、8になりますので、ここである種、そのサインが最終的な形骸化を終え、 この度数をもって、解体に入っていくようなイメージです。


8の数字は、ここでそれまでの流れがはっきりとした、形になり、現れる数字です。 26は9で進むグループだと、3を土台に置いた3ですので、 ここまで推進してきた双子座の世界が、ここで統合的に形となり、

これまでの流れが何だったのかが見えると同時に、化石化していく、風化していく流れも始まります。


形になったものは、同時に解体に入る。という法則がここで適用されるのかもしれません。


双子座26度では森の中の冬霧となっています。 25度では、パームの木が出てきましたが、ヤシの木は南国の植物ですので、 木が元気に生い茂る条件は、しっかりと揃っています。


南国の燦燦と降り注ぐ太陽、そして、温暖な気候、そして、夕方に降るスコールは恵みの雨となるでしょう。


それに比べて、冬の寒さの中、雪深い森の中で、ほとんどの植物は休眠状態に入ります。 北国の木々たちも、秋になると葉っぱを全部落として、丸裸になってしまうものも多いのです。


北国の植物たちは、極寒の冬も越冬する術を持っています。 南国から持ち込んだ植物たちは北国の冬では越冬できず、死に絶えてしまいます。

氷点下の雪の中を、生き延びて、春まで生命を繋ぐ、北の国の植物たちの 生態系システムは植物が生育する上で必要な条件である、温度や、太陽の光などといったものが、極限状態まで少なくなっても、なんとかそのぎりぎりの状態で、生命を維持し続けることが出来ます。


暖かく、太陽の光がふんだんにあれば、植物たちは、どこまでもにょきにょきと伸びて、巨大化し、枝葉を生い茂らせます。

その姿はまさに、双子座が、あちらへこちらへと全ての情報や知識に手を伸ばして、頭がパンパンになっている状態を思い浮かべることができます。


一つ前の25度では、そうして、生い茂りすぎた枝葉を、必要のないものは切り落とし、シンプルにしていく流れが起こっていました。


双子座の知性とは、最終的に、この冬霧の度数のように、必要最小限の 自分に必要な知の世界を究極的には作りあげていくのではないかと思います。


知の世界とは、その全体像が分からないうちは、また知の経験値が低い時は、 とにかく何でもかんでも、手を伸ばして取り込もうとします。

自分にとって必要な知識がなんなのか分からないし、また、全体が分からないから比較検証する目も持たないからなのだと思います。


特に21度あたりでは、そういった様子がマックスまで到達し、もうこれ以上、 情報入れられない、タスクも増やせないというほど限界まで過多となった状態が描かれていました。


26度のこの度数では、極限的な逆境の状態で、どのように知を生かしていくか、を、試されています。 双子座は情報や知識を、無尽蔵に集める特徴がありますが、ここに来て、 ようやく、自らの知識を、本当の意味で人生に生かす過程が描かれているのではないかと思います。


双子座のこれまでの知の世界とは、どこか知の為の知、というか、知ることそのものが目的、といった雰囲気があったと思います。


知っていることが強さである。より多く知っていることが、個性である。といったような風潮もあったと思います。


26度は8ですので、そのサインの性質がここで、はっきりと形になり、最終的なフルコースとして実際に味わい尽くしていきます。


知ることが目的、なのではなく、知っていることを人生に生かして、逆境を生き延びてみる。そういったお試しのように思います。


こうした逆境に出会うと、ただ知っているだけ、ただの雑学王なだけでは、 実際に極寒の冬を超えるためには何の役にも立たないかもしれません。


知識は、生かされてなんぼ。人生に役立つことが出来て、本当に価値のあるものになるのだと思います。


また、実際に役に立つ知識とは、なんでもかんでも雑多に集められた知識ではなく、実は、そうした雑多な中から、厳選され、シンプルになったものだけが、 実際に役だったり生かすことが出来るのだと思います。


知識が知恵になる時とは、その物事の全体像が分かり、不必要な知識を全部削ぎ落して、一番重要なエッセンスだけを抜き取れること。


そして、そのエッセンスを自分なりの言葉で説明することが出来、人生に生かすことが出来るようになって初めて、知識は生きた使える知恵となるのです。


26度のこの度数では、いよいよ、実際に知識を生かすという土俵に立ったように思います。 ですから、この時点では、既にこれまでずっとあった、双子座の知への欲望、 知への執着からは、かなり解き放たれつつあるのではないかと思います。


知に対して、他に負けたくない、と思っているうちは、知をどん欲に求めます。 求めれば求めるほど、自分が何も知らないことに気が付き、更に焦って知への 欲望が高まります。


しかし、知識が自分だけの知恵へと変化してきたときに、私たちは、どこかで 知に対する劣等感から解き放たれ始め、他より知っていることで勝りたいという競争心や、執着、焦燥感から、自由になっていきます。


こうなってきて始めて、知というものを、その雑多な中から、一番必要なエッセンスだけを抜き取って、とてもシンプルに考えることが出来るようになるのでしょう。

人生に知を生かす、双子座の最終目標に到達し始めているのでしょう。