船に掲示され、巻かれ広げられる旗
A furled and unfurled flag displayed from a vessel.



蟹座0度に太陽が入る季節というのは、二十四節気では夏至の季節にります。 毎年この季節は、6月の21日前後に訪れ、陽のエネルギーが最も極まる時となります。

日の出ている時間が一年で最も長い日が夏至の日となり、夏至まで、陽のエネルギーは一直線に極まっていきます。 そして、夏至の日を頂点にして、この日を境に陽が陰に転じる分岐点ともなります。

夜の時間が最も短く、日の出ている時間が長くなりますので、私たち人間のリズムも、そのように順じて、活動的になります。 短い睡眠時間でも元気に動くことが出来たり、その分、テンションが高まりすぎて、 活動性が振り切れて行くことで、体調や心の調子を崩しやすい時でもあります。


陽のエネルギーが強すぎる事で、そのハイパーテンションについていけないと感じる人も増える季節です。

日本では夏至の時期は、梅雨期にあたり、ムシムシ、じめじめと暑くなってくる頃でもあります。 雨が多いことで、なかなか外に出るのがおっくうになったり、活動しようにも、なかなかできない、というような時期にもなりやすいのです。

夏至の季節は春分から数えて、90度まで太陽が進んで来ていますので、4のエネルギーを持ちます。 4は、ここで一旦留まる、休息する、安定化させる、足場を固める、といったような エネルギーを持つ数字です。


そして、陽が極まってくること、ムシムシと暑くなってくること、4のエネルギーが強くなってくることなどで、活動性の中に、停滞感が出るような感覚になりやすいのが夏至の季節です。

家にいて、じっくり内側と向き合う時間にすることが合っている時間でもあります。 春分からここまで、広げてきた活動や、進めて来たことが、ここに来てある種、少し形として見え始めてくる、形になってくるものがある、というのが、 4のエネルギーを持つ夏至の季節の特徴でもあります。


4はここで凝り固まり、ゴールするというのではなく、この後、更に動き、広げ進めていくための、いったん休息であり、いったん調整を入れるというような時間にすると良いのです。


ですから、動けない、動きずらいと感じてもそれは、感覚的に正解なのだと思います。 ここでは、自らの内側の声を確認したり、家族やパートナーなどの近しい人との意思確認や調整をしておくこと、あとは体調面で表れる場合は、体のメンテナンスや、不調のところときちんと向き合っておく、ということが肝心です。


この季節に休むべくところで休まずに無理をしてしまうと、この後夏バテてしまうことになるかもしれません。

蟹座0度のサビアンは、船に掲示される旗が出てきます。 船は海にあるものですから、海は集合無意識や、心を表します。

心や感情の世界に対して、自分たちはこういう名前の船に乗っていて、 この船はこういう乗組員がいて、こういった目的のために共に共感しあい、 航海をしている船です、みたいなことを明確に旗を掲げることで、 周囲に明示している物語になります。


蟹座は、自らの個性を脱していき、それよりも、他の人との親密な関係性、 近しい人たちとの共感の中に生きていこうとする物語のサインです。


自らの個性を発揮すればするほど、蟹座的な共感は薄れていくので、 自らの個性を没して、周囲と協調し、暖かで親密な心のつながりを求めていく世界観がここから始まります。


ですから、船に掲げられた旗では、例えばこの船が、家族単位の船であったり、 会社単位、地域単位、国家単位、地球単位と、規模は様々になるでしょう。

例えば、私たちは、地球号という船に同乗している、乗組員一行ということになります。

地球号という船は、こういう乗組員がいて、こういった意図で繋がりあい、共感しあい、こんな目的で航海をしていく所存です、と宇宙に対して、その意図と内容を旗に書いて、明示しているようなニュアンスです。


例えば、ある地域のある民族が、私たち何々族は、こういったメンバーがいて、こういったことを信じていて、こう言った生活形態を送っていて、こういった宗教を信じていて、こういった意図と目的をもって、生きていますみたいなことや、

例えば、家族単位であれば、私たち何家は、こういう家族のメンバーがいて、 この家族はこういう考え方、こういう信仰、こういう生活様式を持っていて、 こんな個性で、こんな性格の家族です、みたいなことを、明示している、といったニュアンスになります。


ここでは、個人の個性の性質を言うのではなく、あくまでも、共同体としての 同じ船の乗組員としてと共同しあう性質について、旗に抱えて明示しているということになりますから、
あえて、個人の個性については、没されていきます。


個人の個性よりも、その共同体の信じているものや、その集団の在り方の方に、 重きが置かれていきます。

それは、それぞれの人が自分の個性や意見を、全部言ってしまっては成り立たない世界ですから、あえて、周りに合わせ、協調することで、作られていく世界です。


私たちはこうして、集団を生き、共同体を生き、そして、心と心で繋がっていくのだと思います。 心で繋がるとは、相手の心をイメージすることが出来るということでもあると思いますので、蟹座ではそのレッスンが始まっていきます。


能動宮の各1度では、例えば牡羊座の1度では、アザラシという本能的で野性的な無意識という存在が海から上がってきて、この意識というものと出会い、 融合していく、、という、個人としての意識の始まりの世界が描かれています。


そして、天秤座の1度では、蝶のはく製が針に突き刺されていることによって、 自分というものを、世界の中でこういう存在です。と位置付けている物語が描かれていますので、世界から見た、自分というものを固定化する天秤座の世界が始まっています。


そして、山羊座1度では、部族の中で、自分がリーダーであると、その部落の人たちに、力強くアピールし、認めさせている度数から始まります。

蟹座の1度が、同じ船に乗る意志を共にする乗組員であるという、あくまで複数の人が乗り合わせた「船」を主軸においているのに対して、 山羊座では、その船の中の人たちに対して、俺がリーダーだ、と知らしめている物語から、山羊座は始まっています。


各サインの1度は、そのサインのエッセンスを究極的に凝縮したストーリーが描かれていますが、能動宮の1度は、何か対象があってそこに自分というものを、 存在づけていく流れになるのですが、 例えば天秤座は世界から見た自分、と見る方向のベクトルが逆になっていたり、蟹座では、船という単位が主体となっていたり、視点がそれぞれで変わっているところを、抑えていくと良いと思います。