とても目立つ親指で少し曲げられた一つの手

One hand slightly flexed with a very prominent thumb.

11度の拮抗するエネルギーへの対抗と、その結果、反作用に合い、

12度で深く自分の中(サインの性質の中)に、沈水し、深いところから開かれてくる意識が、描かれていました。

13度では、11度と12度の統合が起こり、ここでは、そのサインの究極的な性質が出てきます。そのサインの何物とも違う個性のようなものが現れてくるのです。

それは、他に追随を見ない、他に対抗するものも許さないような、カリスマ的な存在感を放ちます。

蟹座は、心のサインで、共同性と共感力、そして母の愛を象徴するようなサインですが、13度では、とても頑固な意志の強さ、のようなものが現れています。

蟹座13度は、目立つ親指で少し曲げられた一つの手、という風になっています

蟹座はここまで、個を捨て、共同する意識の一部となり、そして、誰かのために己をシャドウにする生き方について、学んできました。

そして、11度では、己の個を捨て去った上で、共同体へ俯瞰的なもの見方を獲得するようになり、自分の意見を、共同意識に向けてうまく伝えるにはどのようなやり方をしたらよいか、ということを学び、

12度では、真に内側から来る、珠玉の直観力を獲得するところまで来ました。

それは、己を誰かのために捨て去った後に来る、境地なのだと。

こうした性質を獲得してきた蟹座のストーリーでは、自分が自分が、というものを捨て去った人間にのみ現れる、究極的な意志の強さ、絶対的なブレない軸、というものを獲得しているのだと思います。

例えば母親は、子供のためには、自分を完全に消し去ることが出来ますから、

どうでもいいところで、自己顕示欲や自己承認欲求を本来出す必要がありません。

ですから、何か自分の意志を伝えるときも、子供のことを一番に考えますから、

感情的になるべきではないところで、いちいち感情的になったり

不必要な喧嘩をしたりせず、11度のピエロのように、うまく自分の意志を伝えることが出来たりします。

また、自分自身の中にある絶対的な直感に繋がっているので、ブレないのです。

そうした境地を手に入れた人というのは、自分という個性を周りに承認してもらおうという欲求はすでに超越していながら、究極的な個人としての意思の強さ、のようなものを獲得しているのではないでしょうか。

自分のために持つ意志の強さ、と、

誰かを守るために持つ意志の強さ、では、まったく比較対象にならないくらい

後者の方が、絶対的に強いのだと思います。

自分を守りたい、は、ただの保身ですが、

大切な誰かを守りたい、は自分を捨て去った人が持つ境地です。

そんな強い意志を持った人が、この13度では描かれているのだと思います。

そうした強い意志を持った人が本気になった時には、何物も叶わないのだと思います。

おそらくこの人は、真に戦うべく時は、己の命をかけて、戦うでしょうし、

大切なものを守るために、いとも容易く命を差し出す覚悟が出きている人でしょう。

それが母性本能であり、私たち動物や人間の最も深いところにある

本能なのだと思います。

蟹座は水のサインで、感情、心のサインです。

これは女性性の性質ですから保守性、受動性となるのですが、

蟹座は、能動宮ですので、活動する性質もあります。

感情が躍動する時の強さや、活動性を表すサインなのです。

私たち、地球に生きる人間が持つ特有のものが感情だ、と言われます。

肉体を持つものの特有の性質なのだと言われます。

私たちはこの感情を通して宇宙と繋がるし、また宇宙(高次の意識)を、

感情を通して、この地上界に下し、形あるものに変えるのです。

どれだけ強く深い感情を持っているか、というのは、この地球で

意志と現実を繋ぎ合わせ、生きていけるかの、要になっているのです。

感情の領域が眠りの状態にあると、この意志(高次)と、現実(物質界)の

整合性がなかなか取れず、つながりません。

意志と現実の結び目となっているのが感情なのです。

そして、その感情とは、強い愛から生まれるものであり、

自らの個としての肉体的要素を捨て去った時に現れる性質のものなのだと

思います。

私たちは誰かを自分よりも愛したときに、宇宙と繋がるのだと。