巻物を前にして四角の前にいる男
A man before a square with a manuscript scroll before him.



この度数からは、5度区分ずつにおける第4グループが始まります。 ここからは、山羊座のエネルギーが流入してきて、蟹座の心の世界と 山羊座の現実の世界が融合していきます。


心と現実や社会というものは元来、とても離れた場所にあって、正反対の資質なのですが、それは表裏の資質で、二つで一つということが蟹座と山羊座の物語を見ていくととてもよく分かります。


蟹座第4グループでは、蟹座の心の資質をこの社会の中で現実の中で落としどころを見つけていく、旅が始まります。


16度では、そのサインの後半のストーリーが始まります。 一つ前の15度で、そのサインの前半のストーリーが最高潮に達し、 マックスまで上り詰めました。


蟹座の15度では、最も蟹座らしい、親しい仲間たちとの豊かな食卓が描かれていました。

五感と、情感共に、満たされた、この地球でのまさに醍醐味のようなイメージが ひとつ前の度数では描かれていたと思います。


私たちは、地球に、これを味わいに来ているのではないか、とすら思えるような そんなイメージが描かれていたと思います。


美味しい食事、暖かな家の中、そして、清潔なテーブルや食器、物質的な豊かさと、そして、それを、大好きな人たちと楽しむ、そんな日々の何のことはない、 当たり前の日常こそが、最も幸せを感じ、また肉体と心を持っているからこそ 味わえるものなのだと思います。


そんな、当たり前の幸せが、実は、この地球だからこそ、味わえるこの一瞬の煌めきなのだということを感じさせる度数です。


そして、16度では、反対側のサインのエネルギーが流入してきて、 二元の統合が始まり、反対側の性質を受け入れた上で、更に成熟した形で、そのサインの性質を完成させていきます。


蟹座16度は、巻物を前に、四角を目の前にした男となっています。


なんだか、抽象的な文章で分かりづらいのですが、一つ一つシンボルを拾ってみたいと思います。


まずは、巻物は、古代の文献や、シンボルのようなものが刻まれたものなのか、 曼荼羅のような宇宙や自然界の法則について書かれたものなのか。


なんとなく、巻物というと、古くから受け継がれてきた、何か大切な事柄が書かれている書物という印象があります。


蟹座はここまで心と情感の世界を育成してきたのですが、 16度からは反対側の山羊座の性質が流入してきますので、 ここで、一気に、心の世界に、現実とか社会といった大人の世界が入ってくることになります。


蟹座の前半では、心というものを感じきり、体験しつくし、北東の虚無の境地にまで到達した、過程が描かれていました。


感情を体験しつくした者のみが到達できる風景を見てきているのです。 そのうえで、だからこそ、五感と情感の地球でしか味わうことが出来ない 幸せを、しっかりと享受することが出来たのが前半の物語でした。


私たちは地球にそれを体験しに来ているのかもしれない、ということをお話ししましたが、肉体を持ち、その肉体を保ち、そして、大切な人と共に生き、 その大切な人の肉体も育む。


そのことはとても幸せなことですが、それを実現するためには山羊座的な現実がどうしたって、表裏としてあるわけです。


社会活動なくして、蟹座の極みで体験した幸せは、継続することは出来ません。


蟹座の最高潮で体験したこの地球での最高の幸せは山羊座の世界観と共にあるということなのでしょう。


スクエア、というキーワードが出てきますが、これは、物質界を表していると思います。蟹座はそもそも4番目のサインで、土台を作る、安定した足場を作るという要素があります。


4という数字は自然界の法則に関わり、物質性を表します。


そして巻物は、言葉になっており、文字として、シンボルとして、見えない世界や 宇宙や心の世界の法則について書いてあるものだと思います。


蟹座では手に触れることの出来ない心の世界を体験してくるわけですが、 その心の世界が究極的に極まった時に実現されるこの地球での幸せや楽しみを享受するために、心。を、形ある領域に下そうとしているのがこの度数なのではないかと思います。


心という奥深い、手に触れられないものを、象徴や曼荼羅の中に見出そうとしているのではないでしょうか。


心を、形ある世界に反映させていく試みがここでは始まっているのだと思います。