セレナーデを歌うゴンドラ乗り

Gondoliers in a serenade.

20の数字は、3を土台に置いた2の世界観になりますので、環境的なものに振り回されずに、そのサインの性質が一つ、着地し、形になり切る印象があります。

20度では、5度区分ずつにおけるサビアンの第3グループがここで完結となりますので、16度以降、流入してきた山羊座の世界観との統合における葛藤が

この度数で、一つ結果を見ることにもなります。

蟹座20度ではセレナーデを歌うゴンドラ乗りとなっていますが、

イタリア、ベネチアでは、観光客を相手に、ゴンドラで客を運び、セレナーデを歌うゴンドラ乗りの職業の方たちが一定数いるそうです。

ゴンドラ乗りは、イタリアの歴史と風土に根付いた特有の職業で、

先祖代々、父から息子へと受け継がれていく、昔からある職業だそうです。

ベネチアの風情ある街並みをゴンドラに乗り、セレナーデを聴きながら、

川を下る。そんな観光名物なのだそうです。

例えば日本でいうと、舞妓、芸者、のように日本文化を、感じる要素になっているのだと思います。

蟹座は土着的な地域に根差したサインですから、こうした昔ながらに受け継がれてきた文化や歴史を大切にします。

ベネチアのゴンドラ乗りは、この地域には無くてはならない職業で、古いとか新しいとかではなく、地域に一定数のゴンドラ乗りがいることは、文化なのです。

だから、この職業は無くらないし、時代を超えてニーズがある商いなのです。

こうした性質を考えると、一つ前の19度の結婚式の司祭のところは、なんというか、小さな子供を持つお母さんがなんとか家計を安定させるために、

でも、自分や子供たちを犠牲にしないで、自分らしい働き方をしてお金を稼ぐために、試行錯誤してなんとか辿り着いた職業だったのに対して、

ゴンドラ乗りは、もともとあったもの。当たり前にあったものなのだと思います。

結婚式の司祭では、自分らしい素質をこの社会の中で少しでも生かせるように、

自らのアイデンティティと社会の仕組みを照らし合わせ、折衷案を探し求めた結果だったのだと思います。

しかしそれはまだ、どこか、不安定で、自分という素質を生かし切るところまでは行っていなかったのかもしれません。

ロジカルに、仕事を采配したり、結婚式の責任者ですから、子供が熱を出したり、

風邪をひいたりしても、絶対に行かなければいけない仕事だったりすれば、

それは、やはりどこかムリがかかるし、自分自身も家族も犠牲にする側面が出てくるかもしれません。

そうした意味で、ベターな職業ではあったけれど、ベストではなかった、ということなのかもしれません。

社会の仕組みを考えればこのあたりで妥協しておかないと仕事なんて無い。と

思って、私たちはどこかで妥協してしまうことがあるのだと思います。

それが、自分らしい仕事で、それがベストであると自分に言い聞かせる。

でも、可能性というのは、自分で閉じてしまわない限り、どこまでも広がっているものなのだと思います。

次の段階として、出てきた職業がこのゴンドラ乗りだと思います。

例えて言うならば、司祭の仕事が、自分らしさを生かせるし、結婚式という短時間のシフトで入れる仕事で、子育てをしながらでもやりやすい仕事だったけど、

絶対に休めなかったり、時間もきっちり決まっていたり、細々したことを言えば、

思い通りにならないことはいっぱいあったよね

ということで、

そういえば、実家の稼業で、店番を探していたけど、実家の仕事であれば勝手がよく分かっているし、実家の両親は、たまたまホームページやネットショップなども手掛けたいと思っていて、娘である自分のネットの知識を生かしながら、店番をしてもらえたら助かる、みたいな話があったなぁと思いだして、

実家の手伝いであれば、子供をおんぶしながらでもできるし、

子供たちが熱を出して保育園に行けなくても実家なのだからじいじやばあばにみてもらうこともできる。

また自分のネットの知識を生かして、サイトを作ったり、子育てや主婦の目線から商品を選んだり、自分のスキルや知識を磨くことも出来そうだなぁと、気づいて、

そこに落ち着いていくことで、自分らしい働き方が出来、スキルも伸ばせるというような感じなのではないでしょうか。

こうしたことは、誰でもできるわけではなく、自分の実家だったから。成し得ることであったりもするわけです。

そういうもともとあるもの、もともと持っているもの、伝統的に当たり前に日常にあったもの、そういうものに安堵していく、自分の居場所を見つけていく、

そういう過程なのかもしれません。

結局そこに回帰した方が、自分も子供たちも、実家の両親も、みんな結果オーライだったよね。ということが意外とあるのかもしれません。

広い世界に出ていって活発に動き回り、活躍することだけが、正しいのではなくて、もともとあるもの、慣れ親しんでいるものを、大切にしてみること、振り返ってみることで、いろんなことが、解決し、その当たり前の日常に深く安心することが出来る。

蟹座が求めるものは心の充足ですから、その土台があって、社会的立場とか、

職業とか金銭とかを手に入れていこうとするスタンスは崩れないのでしょう。