大きなカヌーへ乗り込む一団
A party entering a large canoe.
サビアンにおける4度は、1度と2度の陰陽作用で生まれ出た3度の発展性、生産的なエネルギーを、今度は、それを実際的な場面に使えるものとして、
固定化していく作用が働きます。
3度で出たイメージとは、1度と2度で出た、そのサインの克服するべき問題点や、これから挑んでいく課題に対して、ものすごい大きな活力で、
突破していこうとするエネルギーが3度では出てくるわけですが、そこででた
発展的なイメージを、もっと誰しもが使える、そのサインのお馴染みのエネルギーとして落とし込んでいく作用が現れるのが4度になります。
4は秩序化され、固定化され、使いやすいものになるのです。
山羊座4度は、カヌーへ乗り込む一団、というキーワードになっています。
小集団が、一つのカヌーへ乗って、共通の目的に向かって、船を漕ぎ出し、出発するわけです。
山羊座のここまでの物語とは、1度で、部族の酋長が、自分がリーダーであることを声高らかに掲げ、自分の主義主張、意図を力強く、集団に対して放ったわけです。
このリーダーは、部族に対する責任を果たし、部族を飢えなく繁栄させ、
みんなを守る覚悟で、強気の発言をし、現実的なルールや問題点をシビアに
語った過程があったのですが、
この強すぎる主張や、独りよがりとも言える、精神論のようなものに、
反発する人が出てきたり、現実と見合わず不具合が起こることが出てきたり
していたのが、2度の、3つのステンドグラスの度数だったと思います。
こうした現実的な壁にたくさんぶつかる経験をした、部族のリーダーは、
今度は3度では、こうした反対意見を持つ人たちや、リーダーの意図を理解するのが難しい人たちに対しても、納得できるような、形ある結果を残していくことに、注力していくことになります。
精神論、理想論ばかりではなく、自ら、行動を示して、結果を残していく。
ということを、やっていくわけです。
こうした活動をしていく中で、徐々に、反対意見だった人も、反抗的だった人も、このリーダーを好きになり、一緒に活動していきたいと思うように
なったのです。
そして、リーダーの方も、自分よがりな、理想論ばかり掲げるのではなく、
リーダーでありながらも、仲間たちを下に見て見下すのではなく、
同じ目的に向かって共に歩んでいく、仲間として共に協力しあい、
助け合っていく、そんなスタンスに変わっていったのだと思います。
リーダーは、1人では自分の掲げている理想は何一つ、達成できないことを知るのです。
自分は人よりも優れている、いろいろ知っている、そんなふうに
崇めたてられてきたのが、射手座30度までの世界でしたが、
共に、結果を残し、現実を変えていくには、1人ではどうにもならないことに
気づくのです。
リーダーである、ということは、周りの人たちの助けがあって、初めて、
前に進むことができ、周りの人たちあってこそのリーダーであるということに気づくのです。
だから、一人一人の仲間を尊重し、彼らの能力や才能を最大限に
生かしてもらいながら、共に同じ目的に向かうことを決意して、
その仲間と共に、カヌーに乗り込んでいざ、船出の時を迎えているのが
この度数です。
複数でカヌーに乗るとは、みんなが足並みをそろえて、同じタイミングで、
パドルを漕ぎ、1人でも、逸脱した行為をすれば、船がひっくり返ってしまって、みんなが、危険に晒されます。
だから、この集団は、互いに信頼できる仲間しか乗せるわけにはいかない、
そういう船なのです。
リーダーは1人で、進もうとすることをやめ、信頼できる仲間と共に、彼らの助けを借りながら、目標に向かうことを決意するのです。
真のリーダーとは、自分の主義主張を強く言う人ではなく、仲間の主張を
静かに聴き思考を張り巡らすことができる、超受動的な在り方ができる人なのだということが、ここでは描かれているのではないでしょうか。