ピアノを前にする偉大な音楽家
A great musician at his piano.

13の数字は、素数であり、5度区分で6つのグループに分けた、サビアンのグループでの第3グループの三番目の度数です。

第3グループの3番目の度数ということだけで、何やらとてもテンションの高い、 他に追随を一切許さない、唯一無二のエネルギーを、感じさせます。

13の数字は、カリスマ性と言われます。素数は、他に前例がない、独自の力を放ちます。11とか13といった、第3グループ内の素数は、とてもテンションが高いのですが、11は、2のエネルギーを、持ちますので、その強いパワーを環境に向けて、世界に向けて、いわば、相手に向けて放つのです。 完全に対象というものが前提にあり、それを意識して放たれる、2のエネルギーのパワーと言えるでしょう。


これに対して、13は、4の数字が土台にあります。 4という固まる性質、秩序化される性質は、13と拮抗しあうことでバランスをとっているのです。 4のどこまでも、凝り固まっていく、ルール化されていく世界に対して、13は、それをぶち壊すエネルギーです。

秩序を無効化するのが13の働きなのです。 秩序やルールは、皆が同じ概念に従うことで、存在を確定的にします。 それに対して、秩序を無効化するというのは、同じ意見に従わない、右え習えにならない、ルールを無視する、などといった、自分のたった一人の個性を、 その集団とか、ルールに向けて放っていくことに他なりません。


全く、前例のない個性、意見、考え方は、それまで誰もが信じて疑わなかった秩序を破壊し、新しいルールを作っていきます。


13のサビアンは、どのサインでもそのサインでの、前例のないテンションの高さを示す物語になっていて、15度までの、ストレートでパワフルなそのサインの表現を、果たしていきます。


双子座13度では、ピアノを前にした偉大な音楽家、という度数になっていて、 双子座のここまでの、知識とか技術とか、生きるための術が、ここで究極的に極まり、その人だけの、他に追随を許さない個性となっているのです。


12度で、熟練者たちや専門家集団にたてをついた、生意気なトプシーは、 出る杭打たれるで、排除されたり、虐められたりしたかもしれません。 それでも、自分の個性と、新奇な意見を曲げなかった者は今度は、誰とも違う個性を放つ、カリスマになるのです。


出る杭は打たれるけれど、出すぎる杭は、称賛されるのです。
そして、誰とも違う自分だけの独自の演奏をして、聴衆を感動させることができます。誰かと同じ演奏、どこかで聴いたことのある演奏をしていたのでは、 個性は放たれないし、他者を感動させることは出来ないかもしれません


双子座は、個性を確立し、その個性で、生きていこうとするサインです。 そのために、必要な知識を集め、学び、学習するのです。 しかし、双子座は、柔軟宮であり、風のサインですから、決して、独立独歩し 孤独の道を歩む性質ではありません。 双子座は、たくさんの人と関わり、コミュニケーションするサインです。


私たちは、言語を獲得して、他者と知的なコミュニケーションが可能になりました。 言語や知性を獲得する前のコミュニケーションとは、もっと感覚的なものだったり、 情緒的なものだったりしたのでしょうし、動物的なテレパシーのようなものもつかっていたかもしれません。


もちろん、そうした非言語的なコミュニケーションも、今も私たちは使っています。 しかし、やはり、言語によって、意志の疎通を図る、ということが、主になっていて、 それが、どれくらいできるかが、人間関係においても非常に重要な要素を占めていると思います。


双子座の第3グループでは、その言語的で知的なコミュニケーションを、果たしていこうとレッスンする領域であり、そのやり方を学んでいるのです。

他者と、優位に円滑にコミュニケーションするために、11度では自分の個性を確立するために、それまでの経験を活かしながら、新しい世界に挑戦して、自分の専門領域を一気に広げようとしました。


12度では、今度は自分の学んできたこと、知っていることと、自分自身の感覚や、自分にしかない個性や強みを生かして、専門家や熟練者の中で、しっかりと意志や意見を述べることで、自分自身の個性を力強く放ちました。 自分の考え方、自分の意見を持っている、ということは、コミュニケーションにおいてとても重要な要素です。


そして、13度では、その自分だけの個性を、力強く周囲に向けて放ち、 自分だけの演奏を、自分だけの専門技術を、自分だけの芸術で、周りを感動させることができたのです。

個性と、経験と習熟が積み重なり、組み合わさって、その人らしい、誰にもまねできない、個性となりました。 こうして、私たちは、自分の意見を持ち、自分の言語を持ち、他者と、コミュニケーションをとっていこうとする、双子座はそういう世界で、レッスンをしているのです。
双子座の13度では、ピアノの演奏が出てきます。 13は、4の秩序を壊していく、無効化するということをお話ししました。


13度で双子座の知性の領域、言語的コミュニケーションにおける限界点に達したようにも見えます。 この度数では、自分の知性や、表現や、意志疎通、において、学んできた全てを、披露しているのですが、それは、ピアノの演奏、というとても五感的なものであることが面白いところだと感じます。

ピアノの演奏や、音楽と言ったものは、言語的なコミュニケーションツールではもはやありません。 音楽とは、言葉でいくら言っても伝わらないこと、どれだけ言葉を駆使しても表現しきれないことを、伝えることが出来るツールでもあります。


双子座のテンションがマックスになる、13度で、音楽によって、自分という誰とも違う、カリスマ的な個性を、周囲に放って、たくさんの人とコミュニケーションしようとしているところが、とても意味深いと感じます。