大使館の舞踏会
An embassy ball.
12という数字は、自然界の法則に関わる数字です。
12時間、24時間、60分、12サイン、これらの数字は、私たちを時間の中に閉じ込める数字で、この時間軸の中の法則についてのエネルギーを持つ数字です。
サビアンにおける12は、そういった意味で、自然の法則が発生しそのサインらしさに「沿うていく」度数なのです。
12は偶数ですから、能動的にそれをする、というよりかは自然発生的に発動する法則ということになります。
蠍座12度では、大使館の舞踏会となっています。
一つ前の11度では、救助された溺れた男、となっていて、
他者の心と繋がるのは、強い自分、完璧な自分、火の打ちどころのない自分、ではなく、どこか抜けている自分、弱い自分、恥の自分、悲しみを抱えた自分、だったりします。
そういうものを、さらけ出した時、私たちは、他者の共感を得たり、
深く繋がったり、親友になれたりするものではないでしょうか。
11度ではこうして、自分の「弱み」で他者と繋がるのに対して、
12度は、反作用が出てきます。
この度数では今度は、自分の中の最も「強がった部分」「見栄を張った部分」で他者と繋がろうとします。
社交場で、めいいっぱい着飾って、一番高価な服とアクセサリーを身に着けて、一番いい自分で、他者と繋がろうとするのです。
私たちの社会でもこのようなことは日常的に行われているのではないでしょうか。
例えば、SNSでは、日々、ブランドものを身に着けた自分、高級料理を食べる自分、高級外車に乗っている自分、を演出して、それを見せることで、
ファンを獲得し、ビジネスにつなげている人が沢山います。
11度での、弱い自分で他者の心を動かすことが出来るのと同様に
最も見栄を張って着飾った自分を演出することでも、他者の心を惹きつけることが出来るのです。
蠍座では、高みへと昇っていくために、11度的なやり方も、12度的なやり方も、人心掌握術の一つのスキルとして身に着けていく必要があるのです。
どっちのやり方も、一歩間違えれば、姑息ですし、何度も通用するやり方ではないでしょう。
また、本当に真相を見抜く目を持っている人はすぐにばれてしまう浅い技術だとも感じます。
でも、こうした方法はまだまだ、ほとんどの人に対して有効だし、
11度的なシーンに、惹きつけられる人も、12度的な演出に引き寄せられていく人もたくさんいるのだと思います。
また、こうしたやり方を、良い形で、できるようになる、ということもまた、私たちがこの社会の中で生きる上で、大切なスキルの一つだとも感じます。
反対側の度数の牡牛座12度はウィンドウショッピングをする人々、という度数ですが、この度数では、世の中にあふれるモノや商品に、心を持っていかれているのに対して、蠍座12度では、社会的ステイタスを持つ人、お金を持つ人に、惹きつけられている場面なのです。
牡牛座はモノに、蠍座はモノとお金、それに付随するものを所有している「人」に惹きつけられているのですが、モノと、人、という違いはあれど、
この度数はどちらも、自らの欲望スイッチが入って、止められなくなっている状態だと、理解することが出来ます。
そこに、牡牛座12度では魅力的な商品がどんどん提案される、
蠍座12度では、憧れのインフルエンサーや、セレブが、現れ、触発してくる。
私たちの世界で日常的にどこでも、起こっていることですね。
この度数では、社交場で、そこにいる人たちと対等に、対応できる自分を育てることの大切さも言っているのだと思います。
社交場で、セレブたちが集う場で(ここでいうセレブとは、10度の親睦夕食会で出てきた、一つのスキルや仕事を成し遂げた者たちです)
立ち居振る舞い、服装や装い、言葉遣い、会話能力、気配り、身に着けているもの、これらがある一定の水準に達していなければ、その場にいることすら難しいでしょう。
こうした場に、物怖じすることなく立てる自分であるためには、日々の努力が必要なのだと思います。
この努力をしないもの、諦めてしまった者たちが、こうした世界観を否定したり、馬鹿にしたりするのかもしれませんね。