家のドアにとまっている青い鳥
A bluebird standing at the door of the house.
サビアンにおける24度の度数は、23度において、そのサインの、
成熟し、統合された形で、サイン後半の本質的なテーマを成し遂げて、
実りの時を迎えていきますが、24度では、その実りの果実を、
五感いっぱいに愉しみ、味わい尽くしているような場面がどのサインでも描かれています。
24は、3を土台においた6の数字で構成される数字ですから、
6という環境の融和と、15という、環境に対して、カリスマ的に力強く自分を押し出していくエネルギーが統合され、6の犠牲のエネルギーに翻弄されることはもうすでに無く、環境との創造的な関りが出来るようになっています。
射手座24度では、家のドアにとまっている青い鳥、となっています。
メーテルリンクの、童話「幸せの青い鳥」という物語がありますよね。
チルチルとミチルが幸せの青い鳥を見つけに旅に出る物語です。
思い出の国では、おじいちゃんと、おばあちゃんに会うのですが、
国を出たとたん鳥は真っ黒になってしまいます。
闇の国では、病や争いをたくさん見て、手に入れた鳥は、国を出たとたん、みんな死んでしまいます。
また森の国では、強欲や欲望について学んだり、、未来の国では、時の番人に見つかって追い出されてしまいます。
そして、眠りから覚めた二人は家に戻るのですが、自分たちの住んでいる家に青い鳥はいたのです。
幸せは、近くにありすぎると見えなくなる、本当の幸せは、すぐここに、また、自分自身の中にあるものですよ。ということが描かれた物語です。
射手座の24度では、この青い鳥が、キーワードとして登場してくるわけですが、この一つ前の23度の度数では、移民が入国するという、度数になっていて、命がけの人生の挑戦をした人が、自分が本当に生きたい場所で自分らしく生きる世界を手に入れた過程が描かれていましたよね。
こうして、とてもストイックに、チャレンジし、ようやく手に入れた、
自分が理想とする環境で生きることを成し遂げた人が、
24度のこの度数では、今ある幸せ、すぐここにある幸せに目を向けることで、より、本物の幸せを手に入れることが出来る、と物語られているのではないでしょうか。
23度までのここまでの射手座の在り方とは、非常にストイックに、
どこまでも自分の魂の本質を生きる事を追い求め、それを諦めない姿が描かれていました。
自分の魂の本質からズレて生きることなど、到底できない、と、1ミリのブレも許されることなく、自分自身に挑んできた過程があったと思います。
そこで理想の境地を手に入れるのですが、
青い鳥の物語が出てくるように、欲しいものを手に入れても、更にもっともっとと、尽きることがなければ幸せになることはできないし、
それどころか、渇望感で余計に不幸になったり、
手に入れたものを、絶対に誰にもあげない、自分だけのものにしようと頑なに握りしめてしまっては、循環は滞り、どんどん孤独になっていってしまうことでしょう。
また、私たちの肉体は有限であり、生きているということは、老いていき、いずれ誰しも死と向き合っていくさだめにあります。
理想の人生を手に入れるために、ストイックにチャレンジすることは、たった一回の人生、絶対に大事だけれども、でも、手に入れないと、幸せになれない、という頑なさもまた、自分を苦しくする。
また、手に入れても手に入れても満足できないのもまた、苦しみの病である。
そして、手に入れることが出来た人は、その手に入れたものを握りしめて、閉ざしてしまうのではなく、手に入れたものを、またどんどん出して、周りのために、社会のために循環させて、更なる循環を生んでいく
役割を与えられたものと、理解する必要があります。
目標を手に入れて、安定した暮らしを手に入れた後も、決して、閉じないで、新しい可能性やビジョンの常に心を開き、
また、他者に対しても、自分を閉じないで常に、オープンハートで。
何かを成し遂げれば遂げるほど、目標を達成すればするほど、
形ある何かを手に入れれば入れるほど、その手に入れたものに、
所有されて、がんじがらめになり、それを守るために心を閉じて
柔軟さを失ってしまう人は多いのではないでしょうか。
でも、その柔軟さを失って、新しいも価値観や、他人に対して閉じてしまうことこそが、最も幸せを遠ざけるんだよ、ということもこの度数では言っているのだと思います。
何かを成し遂げ、手に入れるという偉業を遂げた人こそ、
常に手に入れたものに縛られず、その手に入れたもので、人と更に繋がり、心を開き、社会を循環させていくことが出来る人にならねばならない。
手に入れたものを、自分のところで、とどめてしまってはいけない。
沢山のものを、多くのものを手に入れることが出来る人こそ、
沢山出せる人であり、たくさんの循環と豊かさをさらに生み出せる人なのだから。