日の入りに踊るブラウニー
Brownies dancing in the setting sun.

この度数から、牡羊座は第3グループに入ります。15度で、どのサインもそのサインのマックステンションを迎えるということをお話しました。 どのサインにおいても、15度で迎える最高潮の状態というのは、ストレートにまっすぐと勢いよく成長してきた、いわば、挫折を知らない若者の強さとパワーである、ということもお話しました。
16度において、どのサインでも、鏡関係にある、反対側のサインの性質が一気に流入してきますので、いったんここで、サインの性質が崩さるような大きな挫折の体験をします。
15度までまっすぐに何の疑いもなく（違和感があったとしてもかき消して） 自信満々に成長してきたサインの性質が、16度では、二元の向こう側にある、まったく思いもよらない性質が流入してくることで深く傷つくのです。
ここで、大きな挫折を体験することで、16度以降、反対側の性質を何とか受け入れ統合していく働きが始まりますので、ここからそのサインの性質がさらに成熟した形で発展していき、完成形へと近づいていきます。
ブラウニーは、エルフ（妖精）です。妖精たちは自然界の住人ですので、大自然のリズムそのものに、風や水や、光や、緑を楽しみ生きています。
また、日の入りは、秋分点でもある、天秤座の象徴です。 反対に日の出や、春分点である牡羊座の性質を持ちますので、 ここ、牡羊座の16度で「日の入り」というキーワードが出てくることは ここで反対側の天秤座の性質が流入してきたことを、物語っています。
15度まで純粋に成長させてきた牡羊座らしさ、とは何でしょうか。 牡羊座は、個人の意識が発露する場所であることをお話ししました。
牡羊座の世界、とは、己の意識。それのみ。というところに凝縮されるのです。 己の意識にただひたすら忠実に、活動する、動く。
それが、火の能動宮の牡羊座の性質ではないでしょうか。
それは、他から影響を受けません。 相手や環境という、自分より他の要素が牡羊座にはないからです。
わき目も降らず、己の意志のままに、まっすぐに行動するパワー。 それが牡羊座の最大の素晴らしいところです。
例えば、誰が何と言おうが、自分がこうだ。と思ったことは、やり続ける。 周りがどれだけ反対しようが、馬鹿にしようが、足を引っ張ろうが、 潰そうとしてこようが、そんなことできるわけないよ、って否定されようが、 牡羊座にとってそんなことは、まったく関係ないのです。
そういう自分以外からの声。に、まったく耳を傾けることも影響されることもなく、自分だけを信じて、その意のままに動き続けるのです。
これは、見方を変えると、ものすごく崇高な才能だとも感じます。 自分の意志にのみ、忠実だった、その牡羊座は、 この16度で、日の入り（天秤座）の影響が流入してきたのです。
16度では、相手や、他者、というよりかは、自然界の法則。いわば、 自分に対し、世界（自然界）の要素が流入してきているように見えます。
地球で生きる上で、自分という存在を取り巻く環境は、世界（自然）です。 それは、肉体を持って生きているからにほかなりません。
牡羊座の己の意識にのみ忠実に動き続ける性質は、もしかすると、この自然界の法則に無頓着かもしれないし、そんな鈍重でスローペースなものは、 牡羊座の俊敏な意識と、矢のような活動力には、邪魔なものだったかもしれません。
しかし、私たちは肉体を持って生きる以上、意識（魂）を遂行する上で、肉体（自然界の法則）は、どうしたって切っても切り離せないものですし、 肉体と共にあらねば、この地球で魂の意志を反映させることは不可能だからです。
牡羊座16度では、日の入りの性質を受け入れ、ダンスしているエルフが描かれています。 日の入りは、太陽が沈み、これから夜になります。夜は、活動が止み、 リラックスしたり、晩御飯を食べながら家族とご飯を食べたり、お酒を飲んだり、そして、ベッドに入って眠ったりする、副交感神経の時間です。 牡羊座にとって、世界は、動き続けること。でしたが、この度数では、 休息すること、リラックスすること、自然の流れに沿って楽しむこと、 などを受け入れる場面が描かれているように感じます。
動くことと休むこと。活動することと休息することは対の関係にあります。 緊張と弛緩は、必ず繰り返されなければならず、 私たちは、動き続けることも、留まり続けることもできないのです。
必ず、両方を順番に繰り返す。それがこの自然界の法則なのです・・
15度まで動き続ける性質を発展させて来た牡羊座は、12度の野鴨の度数で、潜在的に自然界の性質に気が付いていましたが、まだはっきりとは、顕在化されていなかった、そして、15度で、反復すること、肉体の徒歩のリズムにある時、最も生産性を発揮できることを学んだのでした。
そして、16度に来て、初めて、緊張から弛緩へ・・動き続けることから、休息することへ、意識のままに活動し続けることから、肉体との対話しながら、この地球で何かをしていくことについて、初めてこの度数で、目覚め始めるのです。
それは、牡羊座にとっては、最もショッキングな出来事であったでしょう。それまでの意識のみ。の世界から、 肉体（自然界の法則）に出会うことでもあり、魂と肉体の対話の始まりでもあったのではないかと思います。