バッグを窓から出している女
A woman holding a bag out of a window.
18の数字は、2のエネルギーを土台に持つ、9の数字になります。
18は偶数ですので、受動的な態度での精神の飛翔なのです。
タロットカードでは9は隠者で、能動的に悟りに行く行者の姿が描かれています。
9は8で物質性を完成した後に来る、精神性への旅路の始まりですが、
18では、その精神のステップアップが能動的に出なく、受動的に行われる、ということになります。
受動的に悟りが起こる、とはどういうことでしょうか。
例えば、山に入らずとも滝に打たれずとも、いつもの日常の中で、そうせざるを得ないようなところに自然と流れていく、到達するといったようなことなのかもしれません。
タロットカードで18は月のカードで描かれていますが、水の中から蠍が月に向かい飛翔しようとしています。そして、水辺では犬が月に向かって遠吠えしています。
無意識の蠍や犬の状態から、今、月の扉を開けて、感情という宇宙への通路を通って、意識の上昇が成されようとしています。
癒しとは、準備が出来たものから訪れると言いますが、ここでは、自然の流れの中で、自分の内側の月の扉が開かれる体験なのかもしれません。
サビアンにおいての18度の度数も、そうした派手ではなくて、受動的な態度ながらも、精神的に大きな飛躍のきっかけになるような物語が描かれていたりするのだと思います。
牡牛座18度では、女がバックから荷物を外にばらばらと放り投げている様子です。バッグというのは、持ち物、所有物を入れておく入れ物です。
牡牛座は、自分の個人的な自我である、物質的欲望や、個人のエゴを健全に育むことを学ぶレッスンですので、15度までに、たくさんの所有物を獲得してきた経緯があります。
またそうした五感に触れられるものだけをリアルとする、古い固定概念や、握りしめている機能しなくなった信念なども、このバッグの中身の所有物に該当するのでしょう。
17度で、剣とたいまつが一心に戦って、成長するために、新しい価値観を獲得していくために、能動的な戦いが行われました。
古い価値を捨て、留まること、滞ることを手放して、動き出そうとする様が、
火と風のエネルギーの闘いということで象徴されていたと思います。
そして、18度では、これまで溜めに溜め込んだ、それまでは、それが最も何よりも大事だと思っていた固定的なたくさんの所有物を、窓からぶちまけていきます。
それは彼女の中で、溜まれば溜まるほど、循環を滞らせ、それにしがみつかせ、
新しい循環が起こるのを拒絶する材料になっていたものかもしれません。
または、自分の中にある良きにしろ、悪きにしろある固定概念を解放することで、
新しい風が彼女の中に吹き込むことにもなるでしょう。
自分が大事だ(と思い込んでいたもの)が実はそうではなかったかもしれない、と気が付き始めたのが、16度からのストーリーでした。
その大切だと思い込んで握りしめてきたものをいよいよここで、窓から外に出し、
バッグを空っぽにしていくのです。
空いたスペースにさて、何が入ってくるのでしょうか。
18の月の扉の受動的な意識の飛翔は、ここで所有物や、古い固定概念を一掃するという意識の大々的な断捨離をすることによって、空っぽになり、そのことで
滞っていたエネルギーが動き出し、自然界のリズムが本来の動きを取り戻し始めるのでしょう。