ネズミと討論する猫

A cat arguing with a mouse.

4の数字は、自然界の法則である陰陽のエネルギーが四方向からになりますので、相反する世界観が成立します。

また、4の数字は秩序や普遍性を作る性質がありますので、ここである種、そのサインのルールが決まっていく。普遍的なやり方が、定まっていくのがサビアンにおいてもみられると思います。

ネズミと猫がここでは登場しますが、本来、猫は、ネズミと対等に討論をするような関係性にはありません。

猫が絶対的に強くて、猫とネズミの関係性においては、猫が絶対的な強者であり、猫が言うことがここでは正義なのです。

どっちが正しいか、間違っているかはここでは問題ではないのです。

強いものが正しいのです。

本来は、猫とネズミはそうした関係であったはずです。

猫はネズミの言うことに耳など貸さないし、自分の意見が絶対的に正しい、

そして、自分の暇つぶしのために、ネズミをいたぶり、殺してしまうことだってするのです。

その猫がここでは、ネズミと討論しているのです。

猫がネズミの言い分を聞き、対等に議論をしている様子が描かれています。

本来、ネズミにとって猫は絶対的な強者ですから、ネズミの意見や意志などは

猫にとっては、何の価値もない、聞く値すらないものなのです。

でも、ここでは、猫は弱気になっており、もしかしたら自分の意見が間違っているところがあるかもしれない、ネズミの言い分にも一理あるかもしれない、などと思って、意見を交わしているのです。

この不自然な対比、本来ならあり得ない関係性に目をつけることで、このサビアンの意味合いを深く理解することができるようになります。

蟹座のテーマは、共同体の意識に所属していくことであり、個人の性質を育てるよりも、集団や仲間と、同調し、協調していく物語です。

ですから、猫的な意識が個人性の意識だとすれば、本来、耳を貸す価値など無いようなものに、何の疑いもなく、自分の意見を押し付け、自分の強さで強行突破するところなのです。

しかし、蟹座ではそうしないのです。

その聞くに値しないような存在の言い分にも耳を傾けている、自分の意見に絶対的な根拠のない自信がこれまではあったのですが、

この小さな存在の言い分にも、耳を傾ける感性を持ち始めているのです。

蟹座と4の数字のエネルギーが合わさることで、自分には全く相反する見知らぬ世界にいるような、また本来であれば、有無もなく蹴散らしてしまうような存在にも、心を開いてみる、耳を傾けて分かり合おうとする、自分の正しさを疑ってみる、

そうした資質は蟹座ならではで育っていく資質なのだと思います。

自我という個の性質が弱まることで、今まで見向きもしなかった価値観に耳を傾けることが出来たり、馬鹿にしていた存在から、学びを受け取ることが出来たり、

個の資質を手放すことで、開いてくる可能性がまた一つ、この度数でも

感じられると思います。

自分の正しさを振りかざすだけでは見えてこなかった世界が見えてくるような物語だと思います。

蟹座4度は向こう側の性質を受け入れることで、普遍化されていく蟹座の世界観が描かれていると思います。