早朝の露

Early morning dew.

10の数字は、1から9までのストーリーのゴールであると同時に、1のエネルギーを持つため、始まり、スタートを意味する数字でもあります。

1はスタートですが、10としてのスタートは、これまでの流れを土台に置いたうえでのスタートになりますから、

ここまでの物語の結果や結論を形あるものとして受け取る場面もまた10の側面なのです。

ですから、純粋な1に比べて、10は偶数ですから、ここで受け取るものは、主体的な結果を受け取る、というよりかは、どのような結果を受け取るかには受け身の状態であることが言えます。

10で何が形になって現れてくるのか、は、これまでの流れによるのだと思いますし、ここで、ここまでの流れが良くも悪くも結論として現れてくるのが10の場面なのです。

タロットの10番のカードは運命の輪というカードで、ここでは、運命の車輪が回りだし、新しいステージが始まるという意味合いと、ここで何が現象化してくるのかは、これまでやってきたこと、これまでの流れが前提になっていて、その結果が表れてくることを、運命の輪のカードは示しています。

自分がこうしたい、こうなりたいと思って、行動を起こした時に行動を起こすことそのものは、本人の自由意志によるところですが、その行動の結果、どのような結論が形となって表れてくるかは、自由意志にて全てコントロールできるわけではありません。

行動の結果、どのような結果が表れてくるかは、地球や自然界の法則によるところがありますし、運命というものは誰にも分からないものなのです。

しかし、そんな中でも私たちは与えられた運命の中で、自分の意志を持って、

自ら運命を切り開いていこうとする、その結果として現れてくる側面の一つが、

この10番の運命の輪の世界観が示すところなのです。

このように見ていくと、運命と宿命とは、別のもので、私たちがこうしたい、と思って思い描いた未来が、努力や行動の積み重ねによって必ずしも、望んだとおりの未来が手に入るわけではないことが分かります。

例えば、将来安定した生活や、生涯、安心のお給料がもらいたいと一流企業に入るために、小さいころから、良い学校、良い大学、良い会社に入ることを教え込まれて、そのように努力してきたとしましょう。

もし、願いが叶って一流企業、一流大学に入れたとしても、そのまま親や本人が望んだ(と思い込んでいる)通りの未来が得られることの方が、おそらく稀で、

途中で挫折すればまだしも、望み通りの会社に就職できて、昇進できたとしても、

どこか、魂の望むことと違っていれば、遅かれ速かれひずみは出てきて、

家庭やパートナーシップに亀裂が入ったり、心の病になったり、金銭問題を起こしたり、何らかの障壁は出てきて、魂の望みに気が付かされるということは、

よくあることだと思います。

私たちが頭でこうしたい、こうなりたい、と思い込んでいることと、魂が望んでいることは実際に違うことも多いものです。

そして、人生はどこかで、ダイナミックに、魂が望んだ方向に舵を切らされるような出来事が起こるものです。

ひとつ前の9度のガラス吹きの度数では、職人が、丹念に、作品に息を吹き込み、自分が思い描いた通りの芸術作品を作るために、日々、鍛錬し、長年かけて、匠の技術を身に着けていくこと、この地球における創造とは、時間と空間の時間軸の中にあって、思い描いたものを形にする、ということに、日々の積み重ねとか、積み重ねや練習の時間を要することをお話しました。

こうして、コツコツ続けることで、ようやく、自分が思い描いた通りの創造物を、創り上げることができるようになった、目の前に、イメージした通りの作品が、

手に触れられる形となって表れたとときに、私たちは至上の喜びを感じるのだと思います。

こうして、コツコツと自分の意志を、創造物(形)に変えることを身に着けた、そういう練習をするのが、ひとつ前の獅子座9度の度数でした。

単に、想ったらハイ!とすぐに思い描いた通りのものが出来ないからって、すぐに諦めてしまったり、言い訳して楽な方に逃げてしまったりすることも出来るのですが、それだといつまでたっても、創造することが分からないままになっていきます。

おそらく9度の度数では、30年かけて職人技術を磨きなさい、ということを単に言っているのではないのだと思います。

創造における集中力。

このことについて、9度の度数では言及しているのだと思います。

職人が、ものすごい集中力でガラスに息を寸分の狂いもなく吹き込むように、

この強い集中力、意志の力が、創造に繋がるということを、示唆しているのだと思います。

思ったものを形にする。という体験。

このことについて言及しているのであり、その大切さについて言っているのではないかと思うのです。

地球は思ったらハイ。と、すぐに創造が現れるわけではなくて、地球の物質的な法則の中にあり、タイムラグがあるということをお話しましたが、

私たちの意志の力とか、強い集中力、強い感情のエネルギーは、このタイムラグを、ものすごく縮める力を持っていると思いますし、時間や空間の法則すら超えてしまうことが、確かにあるのだと思います。

最初に運命と宿命のお話をしましたが、私たちは無意識である時に、宿命の方が発動してしまうと言います。

東洋の教えでは、カルマや転生の教えがあり、こうした宿命的なものを誰しも持っている、それは悪いものばかりではないのですが、魂の学びとして私たちが誰しも体験しようとしているものなのかもしれません。

しかし、私たち人間は、自らの意志によって、運命を創っていく、書き換えていくそういうこともまた出来るのだと思います。

自分が、思い描いたイメージが、形になったとき、そして、その思い描いたイメージに、実際の形になったものが近ければ近いほど、私たちの魂は歓喜するのだと思います。

獅子座の世界観の創造とは、まさにこういうことなのだと思います。

思い描いた通りのものが形になる。誤差が少ない、そういうことが、私たちの魂は誰しもできてしまう能力を持っていて、それが出来たとき、本来の自分自身のエネルギーに、私たちは立ち返るのだと思います。

そして、時間と空間の軸を超えて、魂がこの物質界で発動し出す。

そういう世界観をこの、早朝の朝露という度数では言っているのではないでしょうか。

9度では、地球の時間と空間という二元の法則の中で、その法則に沿って、創造を行う過程についてのレッスンでした。

それは、とても大切なことで、私たちは誰しも、人生のおいて、この土星のレッスンを、生涯を通して、学ぶ必要があるのです。

この集中力とか行動力、意志の強さのようなものが無ければその先にある、

二元の法則を超えた創造を行うことは決してないからです。

しかし、9度のガイダンスを学んだものは、10度の早朝の朝露の世界に到達します。

時間と空間の軸を超えて、自由に、魂の創造を、この物質界で顕現し始めるからです。

それは、早朝の朝露のように、澄み切って、晴れ渡り、清々しい、至上な美しさを誇る境地なのかもしれません。

人生を創造的に生き始める。

獅子座の10度ではまさにそのことについて、まっすぐに触れているように思います。