心の内面の知識を教える男

A man teaching the true inner knowledge.

サビアンにおける5度は、5度区分ずつの第1グループの最後の度数になります。

5度までで、そのサインの性質を凝縮してシンプルな形で、表現されるのです。

4度で、定着したものを土台に、5度ではそのサインらしい動的な性質で、

動き出し、表現を始めます。

天秤座5度は、心の内面の知識を教える男、となっています。

ひとつ前の天秤座4度では、キャンプファイヤーを囲んで、気の合う仲間たちが親密に、交流している場面が描かれていました。

このキャンプファイヤーの仲間は、共通言語を持ち、似た考え方をする、

仲間たちです。

私たちは、このように、今の自分にとって、生き方や、考え方が似ている人たちと

繋がることで、自分の居場所を発見し、安心感を得るものなのではないでしょうか。

例えば、インターネットのない世界は、たまたま同じクラスになったクラスメートや、

たまたま近所に住んだご近所さん、たまたま家族になった親や兄弟、

こうした、たまたま近親者として出会った人たちと、まったく考え方や生き方が違うということが多いものだと思います。

このようにまったく違った生き方や価値観を持つ者同士が、どうしても毎日顔をつきあわさなくてはいけない、家族として同じ家の中で暮らさなければいけない、

こうしたことは、よくあることで、これは、魂の学びのレベルとして、

神様が出合わせたも思えるような関係性だと感じます。

しかし、私たちはこのような人間関係の中にだけ、閉じ込められていると、

とても窮屈になってしまうし、ちょっと、一般とは違う個性的な考え方や価値観を持っている人であればなおのこと、生きづらさを感じてしまい、息が詰まってしまうものなのだと思います。

しかし、インターネットの世の中は、こうした、キャンプファイヤー的な仲間や友人たちと出会うことを、容易にしたと思います。

もちろん、インターネットを介さなくてもそうした友人たちと出会うことは可能ですが、確率的にはすごく低いものになってしまうのではないかと思います。

こうして、似た価値観や、共通言語を持つ人たちとの出会いというのはとても貴重なもので、今の時代の恩恵だなぁと感じます。

こうした友人たちというのは、たまたま家族になった人や、たまたまクラスメートや同僚になった人とは全く違う、素早さで、あうんの呼吸で、意思の疎通が取れたりしてしまいます。

例えば、たまたま出会った彼らには、何十年かけて伝えても、伝わらないような理解されないような価値観が、こうしたキャンプファイヤー的な仲間とは、あまり言葉を要さず、通じてしまったりするからです。

こうした意思疎通や、コミュニケーションがある、ということは、人生をどれほど変化させるか、計り知れないものだと思います。

いくら伝えても伝えても伝わらない相手とずっと、コミュニケーションをとり続けている人生と、一方、ほとんど、言葉を要さなくても、大事なことが伝わるコミュニケーションがある人生・・

私たちは、自分の中にあるイメージを、行動することや、日々繰り返すことで形にしていく創造作業を行いますが、それ以外にもう一つ、言語にする。という

行為があると思います。

例えば、こうしたい、こうなりたい、という理想のイメージがあったときに、

行動することや、繰り返すこと、継続することはもちろん一番大事なのですが、

文章にして文字に起こすことや、人に話すこともまた非常に重要な要素だと感じます。

そして、人に話すことで、相手からのレスポンスが返ってきます。

このレスポンスが、先ほど書いたように、まったく価値観が違って伝わらない相手とこうした、やり取りをするのと、共通言語を持っていて、スムーズに伝わる人たちと、やり取りをするのと、雲泥の差があるのか、お判りいただけると思います。

例えば、あなたが、これがしたい、これが理想だ、と思っている事柄に対して、

一方の人は、

「あなたの言っていることはよくわからない、意味不明で理解できない」とか、

「そんなことしてもうまくいくはずない、そんなの夢物語だからやめたほうがいい」とか、そこまでいかなくても、ほとんど、理解していないのに表層だけ

「頑張ってね、応援しているよ」とか言われても、ほとんど想像力は掻き立てられないものです。

また、それどころか、ネガティブなほうへ足を引っ張られてしまいますよね。

これに対して、一部の友人たちは、あなたの話に対してさらに上乗せして、

イメージ力が膨らむようなことを、どんどん言ってきたり、さらに理想を達成するために必要な有益情報をポンッと、提示してくれたり、あなたの想定を1枚も2枚も

上乗せして、素晴らしいレスポンスを返してきてくれたりするわけです。

こういった、キャンプファイヤー的な仲間がいることが人生をどれだけ違うものにするか、想像しがたいくらいまったく違うものなのだということがイメージしていたけるでしょうか。

この度数の心の内面の知識を教える男、というのは、自分の内側にある、

本当の心の内を、こうしたキャンプファイヤー的な、同じ言語と似た価値観を持つ

仲間たちに話している場面なのです。

話せば話すほど、話しているこちら側の想像力が奮起され、どんどん創造性が増し、新たなイメージやアイデアが触発されていく。

そして、理想の世界へと一歩一歩近づいていく。

キャンプファイヤー的な仲間とはそういうものなのだと思います。

天秤座のテーマは、世界とのやりとり。です。

牡羊座から乙女座までの世界が、いわば、自分だけが存在する世界だとしたら、

天秤座以降は、相手や世界とのやり取りを通して、自分の中にあるものを、

外の世界で、実現し形にしていく世界です。

イメージを形にし、現実化するのには、どうしたって世界とのやり取りを繰り返す必要があります。

その世界とのやり取りを、どのような相手とするか。

ここにかかっているとさえ言っても過言ではないのではないでしょうか。

想像力を掻き立てられない(それどころか創造性を奪われ続ける)相手とのやり取りをずっと続けるか、

お互いの想像力と創造性を、どんどん高めあえるような相手とやり取りをするか、

この辺りを、現代に生きる私たちは、真摯に意識的になったほうが良いのだと思います。

この度数は、心の内面の知識。となっていますから、とかく、こうした自分の中にある、もっとも繊細な部分の大切な本音や、知識について話す相手は、重々選んでする必要があると感じます。

天気の話や、ちょっとした、日々の表層の話であれば、相手がだれであれできます。

そして、こうした、中身のあまりない会話だけに終始して、特に疑問を感じない人もまたいるのも事実です。

しかし、こうした表層だけの会話では、人生が全く満足できない、物足りなさを感じてしまう敏感な感性を持っている人は、こうしたキャンプファイヤーの友人たちと出会い、彼らと創造的な会話のやり取りをすることがとても重要なのだと思います。