親睦夕食会
A fellowship sipper.
サビアンにおける10度は、6~10度までの第2グループの最後の度数であり、9で割ったグループにおいては、2グループの最初の度数でもあります。
10はタロットカードでは運命の輪で、10の1ですから、ゴールであり、スタートでもあるのです。
ここまでの流れが、ここで一つのゴールを迎え、またここまでの流れを組んで、始まっていく運命がここからスタートするというのが、10の数字のエネルギーです。
一つ前の9度の、歯科の仕事、の度数では、強い感情のパワーによって、一心不乱に、自らの内面に潜り、一つの対象に集中し尽くした人物が、
専門家のスキルを獲得し、そのスキルによって、変えられないものを変え、超えられない壁を突破して言う場面が描かれていました。
私たちは自らの意志によって、変えられない現実を変えることが出来たとき、一人の人間として、しっかりとこの大地に立つのだと思います。
自分というものがある種、出来上がる。
揺らがない自分で、生きるようになる、のだと思います。
このように、一個の個人として、自立した意識を持つようになると、
それまで、無意識に翻弄されていた集合無意識の作用から自由になっていくのだと思います。
危険を冒しても深海に潜り、一切のほかの要素を断ち切って、ある一定期間、一つのことに集中し、獲得した自分だけのスキルをもって
現実を変えることが出来た人は、自律的な意識を持ち、集団の作用から自由になるのでしょう。
このように自律的な意識を獲得した人は、同じように、自律的意識を獲得している人たちと繋がり合っていくのだと思います。
逆に言うと、こうした意識を獲得した人たちから見ると、
今だ、自己を確立しておらず、集団に流され、自分の意志を持たないような人たちは、信用ならないので、真面目にお付き合いする対象にはならないのだと思います。
何か一つ、努力して成し遂げたことがある人、自らの強い意志を持って現実を変えてきた経験がある人、というのは、一本、芯が通りますから、信頼に値する人物になります。
こうしたもの同士が、繋がり合うと深い絆となり、真の友情となるのでしょう。
蠍座の1度では観光バスで知り合った、知らない者同士が、2度の香水瓶が割れて、全ての感情をさらけ出し、綺麗ごとではない部分の自分も見せ合います。
そして、3度の棟上げ式では、こうして、信頼関係を獲得したもの同士が、協力し合って、人生を共にしていく儀式が行われています。
そして、4度の火のともったろうそくを運ぶ若者では、互いに手を取り合い、これからの人生を共同で作りあげていく儀式が行われているような場面です。
しかし、5度の大きな岩場にぶち当たったときに、単に感情だけで結びつきあったもの同士はいとも簡単に、崩壊の危機にさらされます。
ここまでの物語をたとえ話で、お話しすると、例えば、
若い二人が恋に落ちました。二人はまだ若く、社会経験も少なくて、
まだまだ危なっかしい二人なのですが、互いのことを好きな気持ちは本物です。
喧嘩もしたり、一緒に暮らしてみて起こる、トラブルなどもいろいろ話し合って、生活を作ってきました。
こうして数年は、仲良く暮らしていたのですが、妻が妊娠して子供が生まれました。幸せの絶頂であるはずでしたが、その子供は障害をもって生まれてきました。奥さんは仕事を辞めなくてはならなくなり、
新築30年ローンで買った、マイホームのローンが払えそうにありません。
そんな中、初めての子育てと、障害の子を授かったショックで妻は、産後うつ状態に、、夫は、仕事も忙しく、家事や育児、妻のサポートに追われ・・
などということは、人生、誰しもに起こりえることです。
こういった状況になったときに、あっけなく崩壊してしまう関係性というのはたくさんあるでしょう。
また、こうした過程を経て、障害児を授かったことで、人が経験しないような強い感情体験をしたこの夫婦が、今度は、そこから一念発起、
妻は、外で働けなくなったことをきっかけに、福祉関係の資格を取り、
障害児サービスの事業所を立ち上げ、経営者としての道を歩み始めます。
夫は、会社勤めをしながら、妻の会社のサポートをするために、経理や経営、資産運用などの勉強をするようになり、独立してフリーで働くようになり、より、家族や、子供のお世話をするための時間をとれる働き方を獲得していくことで、
夫も妻も、それぞれに、今まで以上に、社会と関り、自律的な意識を獲得し、
互いを尊敬し合い、収入もサラリーマン時代の、何倍も増えて・・
変えられない現実を糧に、更なる、創造性と飛翔を果たしていく・・
こうして、今二人は、家族で食卓を囲み、幸せな夕食親睦会の席についているのです・・
二人の顔は静かな自信に溢れ、互いに対する尊敬と、子供と家族に対する愛と責任の強さが宿っています。
物語にすると、このような過程で、蠍座1~10度までの流れを、見てくることができるのではないでしょうか。