借りた眼鏡をかけている子供と犬
A child and dog with borrowed eyeglasses.
サビアンにおける21度の度数は、5度区分ずつのグループ分けにおいて、第5グループの一番初めの数字です。
第5グループは、一つ前のグループで、反対側の陰陽の性質を受け入れたことで大きく価値基準が崩壊し、世界観が崩れ去った後の
再構築を経験してきた場面でした。
ですから、サビアン前半の何の迷いもない、一直線なパワフルさは、
いわば、勢いはすさまじいけど柔軟性がないので、何か大きな反作用があると、一気にポキッと折れてしまうような脆弱さがあるのかもしれません。
勢いよく、自信満々に息巻いている若者ほど、逆境や挫折に弱いのと
同じような感じなのかもしれません。
それに対して、サインの16度以降の後半は、一度、大きな挫折を経験した後に、もう一度立ち直り、復活してきたのが、第5グループですから、そう簡単に折れないのです。
芯がしっかりあるほどに、柔軟性がある。
どんな逆境や、反作用にも、緩やかに柔軟に形を変えて対応できるから、決して、ポキッと折れたりしない。
そういう成熟した強さを持っているのが、第5グループです。
サインの成熟した実りの時を迎えるのがこのグループで、
21度では、思いっきり、サインの性質をもって、跳躍していくのです。
それは、サイン前半のただ、勢いだけの跳躍と違い、
リスクや、反作用もいろいろ計算したうえでの、新しいステージへの挑戦なのかもしれません。
21度で、新しいステージに思いっきり跳躍、
22度で、新しいステージに、着地点を得ます。
そして、23度で、21度の男性性の性質と22度の女性性の性質が
統合された形で、創造される実りの時を迎えます。
射手座21度では、借りた眼鏡をかけている子供と犬、というキーワードになっています。
ここまでの射手座のストーリーでは、18度で、自分たちの少数精鋭の高度な専門性や、高い地点に到達した意識レベルで、マイノリティでもこの社会の中で生きやすい地を求めて、生きる環境を意識的に変えていった場面がありました。
そして、その安心して、自分たちの専門性を探求したり、
高い意識レベルを保って、安心して生きられる場所を手に入れた人たちは、20度の、氷を切り出す男たち、の度数では、
その手に入れた高い専門性をさらに駆使して、社会から必要とされるものを生み出すことが出来るスキルや、技術を持ったり、
求められるニーズに応えることが出来る専門家、匠にまで立ち位置を
高めていったのでしたね。
そして、21度では、更に、20度で手に入れた、社会から役に立つ自分、とか、先見の明を持ち、この社会の向かっている方向を肌で感じ取り必要なものを準備することが出来る、そういうスタンスを土台に、
もっと、更に、新境地へ、ハイレベルなステージへと、自分をのし上げていこうという挑戦をしているのが、21度の度数ではないでしょうか。
犬とか、子供というのは、アトリビュート的には、幼きもの、本能的で情動的なものの性質として登場しています。
こうした、まだまだ幼い情動的な性質のものたちが、眼鏡をかけて
知性や思考力を高めて更なるステージへと跳躍していこうと
無理目な試みをしているのがこの度数だと思います。
どのサインでも21度はかなりの力で、高みへとジャンプし、挑戦していき、新しいステージの扉をこじ開けていこうとします。
だから、自分にはまだ、早いと思われるような挑戦をも厭わないので、
射手座の21度では、20度までに手に入れた、資質を元手に、
更なる高みの世界を見に行こうとしているのだと思います。
でも、まだ子供や犬の性質に対して、眼鏡という知性の道具をつけるわけですから、かなりの無理がかかり、ストレスも重圧も非常に強いことが想像できます。
それでも、私たちは挑戦したいときがあるし、しなければいけない時があります。
射手座は、前半では、誰もついてこれないような高い意識レベルとか、
専門知識を獲得するのがテーマでしたが、
後半に入り、射手座の全体のテーマとは、その誰もついてこれないような孤高の知識や意識レベルをもって、独り孤独に、世捨て人として生きるのではなくて、あえて社会と関わって、世の中の役に立てる自分になることが、射手座の全体的な統合テーマですから、
21度では、まだちょっと早いかもしれないけれども、そこに挑戦していくのだと思います。