輝く影響の最中にいる男
A man in the midst of brightening influences.
28度は、4を土台に置いた10の1の度数です。
この度数をもって、3グループは、ゴールに達し、ここから4グループが始まっていきます。
サビアンの最終章は、4グループの28度、29度、30度となりますが、この度数では、次のサインの影響が混じりこんできて、次のサインに移行する準備が進められていくことになります。
28度は今いるサインを、終わらせて、新しいサインを始めていく度数、という風に考えると良いと思います。
天秤座の28度は、輝く影響の最中にいる男、という風になっています。
ここまでの27度までで、天秤座は、個人を一人一人ととらえて関わるのではなく、全体を俯瞰し、人間全体として、関わる視点を手に入れてきました。
27度まで、もはや、一人一人の人間関係に煩わされることもなくなり、
個人を一人一人のその特性を捉え、よりよく関わろうとするテーマを、ずっとやり続けてきた天秤座だからこそ、獲得した全体的な視点だとも言えます。
世の中にはいろんな人がいて、自分とは真逆な考え方をする人、自分には全くみたことも聞いたこともないような考え方を持っている人、たくさんいますよね。
最初は天秤座はそれに驚き、人生を振り回され、意気消沈し、それでも違いを受け入れ、自らを成長させてきました。
自分とは全く違うタイプの人間から学び、成長する、ということに関しては、
天秤座の右に出る者はいないのではないでしょうか。
こうして、個人の一人一人の個性を識別し、それに合わせ、相手のニーズをくみ取り、より生産的に関わっていこうとするプロフェッショナル、それが天秤座です。
こうして、人間関係スキルを磨き続けてきた天秤座は、人間関係における、仙人のようになったのだと思います。
人を一人一人捉えるのではなく、人間とはこういうもの。という、ある種悟りの境地に、至るのだと思います。
こうして、27度では、飛行機から、地上を見渡すような視野を手に入れていきました。飛行機から地上を見下ろすと、一人一人の人間や、一軒一軒のお家を認識することはできませんが、その土地の形状や海の色や、大都会や、田園地帯など、大きな括りで人々の生活を捉えたり、地球の地形を認識したりすることが出来ます。
またナスカの地上絵のようなものも、飛行機から眺めなければ、その全体像を認識することはできませんよね。
地上で、ナスカの地上絵を見てもそれはただの、土地の隆起であり、穴ぼこが開いているようにしか認識できないのです。
このように、飛行機の視点を手に入れたことでより、分かること、気づけることもたくさんあるのです。
人間とは何か。が分からない人に、究極、対人関係を極めることはできません。
だから、私たちは人間関係で間違うし、悩むのです。
そして、人間とは何か。という、飛行機の視点を手に入れた人はもはや、個人対個人の人間関係に悩むことも煩わされることもないのです。
もっと宇宙的な視点で人間を眺め、捉えるようになっているのです。
天秤座28度は、輝く影響の中にいる男、となっています。
あらゆる体験をし、学びを進めてきた天秤座はこの度数にくると、もはや光の中に在るのです。
27度の飛行機の視点は、まだ地上を見渡すことができました。
飛行機からは、地上を全体として捉えることはできますし、地平線を認識したり、
陸地と海を認識したりすることはできますが、地球の裏側は見えないし、
夜になればそもそも、地上を見渡すことはできません。
ある意味、飛行機の視点は、まだ物質界の法則内にあると捉えることができます。
しかし、28度の光の中にいる男はすでにそうした、物質界の法則に閉じ込められていないのです。
光の中にありますから、すでに時空を超えていますし、昼も夜も、天気も雨もないのです。
それは、全てを見渡す高次の視野を持つに至ることであり、全体を認識する意識です。
二元の法則を超えた意識ですから、地球の裏側だって、地球の内部だって海の底だって、認識することが出来るのでしょう。
ここにきて天秤座のテーマは満了されたと言えます。
人間とは何か。が認識され、人間と地球との関係、自然界の中での法則、
人間の存在性そのものについての理解に及んでいる様子が描かれています。
個人個人の特性や、一つ一つの生物の特性、植物の形や鉱物の造形などにはもはや囚われておらず、普遍的な自然界の法則や、宇宙の光の中にすでにある意識なのでしょう。