カヌーを漕ぎ戦争の踊りを踊っているインディアン 

Indians rowing a canoe and dancing a war dance. 

サビアンにおける5度の度数は、六つに分ける5度区分ずつのグループ分けにおいての、第1グループの最後の度数になります。 

サビアンでは、1~5度までの5つの度数を通して、そのサインの全体像をぎゅっと凝縮されたエッセンスで、表現します。 

この5つの度数で、そのサインのテーマとはなんなのか、という大枠を示してくるのです。 

5の数字のエネルギーは、獅子座のサインでも示されるように、 

表現、挑戦、冒険、個性、存在感といった、活発なエネルギーとなります。 

4度までに形成されたそのサインの秩序を、5度で、大きく、挑戦をしかけていく、活動を広げアピールしていくといったような、ニュアンスで描かれます。 

ここまでの山羊座のストーリーでは、 

1度で、部族の酋長が力強く、自分こそがリーダーである!と、主張したことから、 

2度では、その反動が起こり、反作用分子が生まれてきます。 

強い主張をすれば、それが強いほどに、強い反作用が生まれてくるのが、私たちの社会ではないでしょうか。 

こうして、生まれたのが3度のエネルギーになります。 

山羊座3度では、反対意見を持つ者たちにも、納得してついてきてもらうために、リーダーは、机上の空論や理想論といったものだけでなく、 

現実的で実際的な手腕を、試し、結果と成果として、きちんと、周りに対して見せていくことの大切さを実感し、それを実行していく、世界観が 

描かれていました。 

こうして、リーダーは、部下を率いるということ、について、学び、 

また何か大きな目標を成し遂げようとすれば、自分一人だけでは、どうしようもないことを、強く痛感し、周りの人たちにも、自分についてきてもらえるよう、単に上から押さえつけるだけではなく、自分自身のリーダーシップを高め、周りがついてきたくなるような、そんなリーダーに成長しなければんならないことを学ぶのです。 

リーダーであることの孤独、また、リーダーの真意は理解されないということ、でもそれを踏まえた上で、チームの人間たちの一人一人の才能と適性を伸ばし、仲間を信頼し、彼らに任せること、理解することを通して、 

一緒に、目的に向かう意識へと、成長していきます。 

一つ前の山羊座4度では、こうして、みんなで同じカヌーに乗り込み、 

チームで同じ目的を目指し、オールを同時に漕ぎながら目的地に向かうことになります。 

こうして、一つのカヌーに乗り込んだ一軍たちは、共に協力して、一つの目標に向かうチームとなります。 

目標を達成するためには、力を合わせ、足並みを揃え、チームの中で、自分自身の役割を全うし、責任を果たさなければなりません。 

だれか、一人でも逸脱したり、足並みを揃えないものがいれば、全体に迷惑が及び、目標に向かうことはできないのです。 

山羊座5度では、カヌーを漕ぎ、先生の踊りを踊っているインディアン、というなんだか、ものものしい場面が描かれています。 

山羊座の世界とは、私たちの社会そのものであり、強いものが勝ち、弱きものは淘汰されていく、競争社会であり、結果至上主義のこの俗社会のことです。 

うかうかしていたら、もっと強いやつらが出てきて、足元を救われるかもしれないし、怠けていたり、弱気な態度では、やられてしまうかもしれません。 

山羊座の5度では、こうしたことから、仲間で鼓舞し合い、士気を高めあっているのです。 

こうして、無理目な、挑戦や、無謀なチャレンジも、勢いと、覇気で、突破していこうとするパワーが感じられます。 

昭和の時代のCMに、「24時間戦えますか?ビジネスマン~!」という 

栄養ドリンクのCMがありましたが、まさに、その世界観ですよね。 

会社勤めをするサラリーマンが、自分の健康や、プライベートな時間を犠牲にしても、会社のために、頑張り続ける。 

チーム戦を、勝ち抜くために、会社の歯車となって、寝ずに働く、そんな人たちが戦後の日本を作ったのだと思います。 

自分を犠牲にしても、彼らを駆り立てたものが、あの時代には、あったのだと思います。