空のハンモック
The empty hammock.


ハンモック、というのは、二本の樹に結ばれて初めて、
その作用を体現します。

ハンモックは、両端を固定されて初めて、
風に揺られることができるのです。


木が一本しかなければ、ハンモックを作用させることはできません。

木が二本ということで、ここでは、二元性の性質、陰陽の性質、
もしくは 2の受動性の性質が現れていることが分かります。


17度でも、二人の女性が出てきて、
更に保守的な会話をお互いで繰り返すことで陰の性質が極まり、
内面性への充足へと入っていきました。


18度でも、ハンモックというキーワードが出てきますので、
二本の樹が後ろにあることを想起することが出来ます。


またハンモックとは、能動的に動いたり、
自分の意志で操縦したりするものではなく、
風の向くままに、ゆらゆらと揺れ動く、
環境に対して、受動的な性質を
示すものとしての象徴でもあるのだと思います。


18は、タロットカードでは月のカードであることをお話しました。

月のカードは、最も内面的に深く潜り、
自身の内側の潜在意識と対峙するような場面です。

ここで、月の扉に出会い、感情という高次意識への
架け橋の扉を押し開けて、
宇宙意識への階段を一歩一歩と昇り始めるカードです。


この月の扉に出会うまでは、
私たちは、自身を肉体だけの存在であると、
認識していました。

なので、マインドの意志で、
環境を支配しようとし、コントロールしきることで、
全てを思い通りにできると思い、そのように行動を繰り返します。


しかし、月の扉を開けて最初に出会うのは、
自分自身は、肉体だけの存在ではなく、
いくつもの多次元なボディを持つ存在であることに、出会うのです。


タロットカードは、このように私たちの魂の成長ストーリーを
実に分かりやすく、 物語のように示しています。


では、この18という数字は、
最も深いところにある、
感情の世界、潜在意識の領域へ潜っていく数字です。

それは、能動的に悟りに行くとか、
山に入って滝に打たれて、悟ろうとする活動性でもなく、
悟りに対して野心的な在り方でもなく、
ここまで、それだけの経験を経てきて、
自然と促されていく、目覚めへのきっかけなのです。


空のハンモックは、ただ、風に流されて、
ゆらりゆらりと揺れ動きます。

それは、自然の法則のままに、動きを繰り返すことで、
大きく振れれば反対側に大きく振れるという性質を持ちます。


一つ前の度数のところで、
体の声を無視し続けて無理し続けた期間が長ければ長いほど、
休息の時間を同じだけ取らなくてはならない、というお話をしました。


それと同じように、休息(陰)が極まれば極まるほど、
今度は、自然と動き出したくなるし、
活動する時間へと入っていくのです。


ハンモックでは、そういうことを、
たったこれだけのキーワードで示しているのです。


休息を極めて、さあ動き出そう、
というときに、最初は、ハンモックが小さく風に揺られて動く、
そしてそれと同じだけ反対側に揺れ動く。


最初はそんな少しのふり幅で、
活動性を取り戻し、またすぐに無理をせず、休息へと入る。

そうしているうちに少しずつ、
少しずつハンモックのふり幅が大きくなり、
活動性が増してくる。

そして、活動したら休息する、
という当たり前の繰り返しが自然とできるようになっている。


牡羊座の15度までで育ててできた、
力づくのような直線的な活動力から、
16度以降は、自然界の法則に則った上での、
自然な形での活動&休息の在り方を発見していく。


魂と肉体が対話しながら、
対になってバランスを取りながら生きる在り方へと、
ここから目覚めていくのかもしれません。