荷物を運ぶ男
A man handing baggage.


13度は、11度とちょっと似た性質があって、素数ですので、非常にテンションが高まります。また、11度は、パワフルに活性化することで、そのサインの性質を持って、状況に対して逆行していくくらいのパワーがあるのに対して、 13度は、4の性質を持ちますので、もともと既存にあった法則性や秩序などを破壊するほどのパワーを持ちます。


誰とも違う己のみのルールで突っ切るのです。だから、13はカリスマと言われる所以なのです。 サビアンにおいて13度は、そうしたことから、そのサインの性質をどの度数よりも、 そのサインらしく、破壊的なほどにパワフルに発揮します。


牡羊座の13度では、実際に勢い余りすぎて、不発弾が連発していましたね。 しかし、それこそが、とても牡羊座らしい在り方なのです。 だから、13度は最もそのサインらしいのと同時に、結果については全く考えておらず、すがすがしいほど、そのサインをやりきります。


牡牛座13度では、荷物を運ぶ男。となっており、重たい荷物をぎゅうぎゅうになって辛そうに運んでいる様子が思い浮かびます。


ここまで第3グループでは、牡牛座の欲望の世界について、レッスンしてきました。 ここに来るまでに、欲望の範疇は、どんどん広がっていき、一つ前の12度では、際限のないほど、果てしなく広がっていました。


牡牛座的な、欲しい。という世界が、際限なく広がると、私たちは、人生を その「欲しい」というエネルギーを中心に回し始めます。


自分が中心なのではなく、「欲しい」が中心になるのです。


こうなってくると、欲しい。という欲望を中心に、生活を人生を、回すことになりますので、欲しいものを手に入れるために、また、その支払いのために、それを主軸において、人生が回っていきます。


この様子がまさに、荷物を運ぶ男。というキーワードで表されているのです。


同じ生活を営むとしても、欲しい。を主軸に置かない生活の仕方や生き方もあるのだと思います。本来、生活とはそういうもので、食べることや、眠ること、といった基本的な生命活動を行い、そのために働き、そして、余暇の時間を楽しむ。 そうした自然な流れが本来的な姿なのだと思います。


しかし、気持ちが外へ外へ、(自分自身ではなく、他者とか、自分以外の世界へ)と向きすぎることで、あれも必要、これも欲しい。と、主軸が移っていきます。

その結果、本来の穏やかな生活、肉体を育むための自然な生命活動から離れていき、逆にそこを犠牲にして、欲しい。のために、奔走することになってしまいます。

この度数では、そうした物質的な野心を必死に背負って、忙しく動き回っている様子が描かれています。

良い形で出れば、自分の欲望に忠実になって努力を重ね、大変ながらも野心を達成するといった形で出るので、現代社会においては、 悪い資質ばかりではないのだと思います。


ただ、自分の欲望に対して、どこか客観的に見られるスタンスも忘れないようにしたいものです。