ボリシェヴィキ・プロパガンディスト

A Bolshevik propagandist.

8の数字は、物質性の完成形、圧縮され、凝縮されきった形ある世界を体現します。また8の数字では、形骸化されたもの、形になったものは、同時に解体に入るという自然界の法則が適応する場面でもあり、黄経の8分割地点で土用が訪れるように、(土用とは、前の季節が極まり切り、次の季節へと転じていく作用の時をいいます。)手に触れられる目に見える形となったものは、エーテルへと転じ、別の存在形態へここで変容していくという法則が働くのも、8の数字の持つ特徴です。

獅子座のここまでの世界観は、最初に獅子座の根源から湧き出る無限のエネルギーによる、純粋で最も崇高な創造性が発露し、周りに強い影響を放ちました。

そして、途中で、その魂のパワーを檻に閉じ込めてとどめおこうとする失敗や挫折、また他者と比べることで、唯一無二の誰とも違う魂の輝きが見えなくなってしまうことなども体験してきました。

こうした大きな挫折経験や、葛藤や苦しみを通して、一つ前の度数では、夜空の星空、目には見えない世界に思いを馳せ、宇宙に回帰していく場面が描かれていました。

8度は、そうした7度までに獲得した、よく見えないもの、手には触れられないような宇宙原理を、8という数字の現実的な性質にあって、また、地上的な原理に落とし込もうとしているような場面が描かれています。

ボリシェヴィキとは、マルクス主義の潮流を組む社会主義から発展していったもので、レーニンが率いた左派の一派と言われます。

日本でも、かつて安保闘争から、60年代には、学生運動が盛んになった時代がありました。

こうした新しい世の中や、現行の世の中に対する過激化した反対運動などが、

これまでも起こって来ました。

これは、行き過ぎた資本主義社会や、欧米主義社会に対して、新しい思想によってより良い未来を創ろうと、過激に主張を展開していくのですが、

このように、強い主張と、過激なほどの活動を通して、主張を訴える様が、

この度数では描かれているのだと思います。

というのも7度で、獅子座は、宇宙を垣間見たのですから、

その遠大で普遍的な宇宙の法則は、とても自由で理想的に見えたに違いありません。

しかし、宇宙の法則を、今すぐ急速に地上世界に持ち込もうとすると、このような急進的な、感じになってしまうのかもしれません。

プロパガンダは、特定の政治的な主義や思想について、世論や民衆の意識を誘導する意図で宣伝することを言いますので、

ここでは、何らかの強い活動を通して、自分自身の主義主張を世の中に対して訴えている様子がイメージされます。

しかしそれは、少々、急進的すぎたり、短絡的であったり、稚拙であったりといった様子もまたイメージされます。

ですので、ともすれば、向こう見ずな若者が、世の中に革命を訴えかけて、

その命知らずの無鉄砲な行動力が、世論を動かしたり、民衆の意識を啓発したりすることもあるのだと思います。

大人になるほど、事なかれ主義や、長いものに巻かれろ主義になり、

また、日々の些末な忙しさに翻弄され、目先のことだけを狭い範囲で考える癖がつき、ものごとを大枠から捉えることが難しいものです。

また、違和感を感じていても、革命を起こすようなパワーも勇気も行動力もない・・

しかし、この度数では、自分の中にある違和感をそのままにせず、

世の中を変えていくために行動を起こしているのです。

それがたとえ、失敗に終わったとしても、若者の無鉄砲で乱暴な我がままよと言われても、世の中に対する主義主張を訴えることを諦めずに

行動を起こし続けるイメージも得られます。

自分の中にある違和感や、熱い想いをなかったことにして、涼しい顔をして、

どんどん無意識に閉じ込めて眠りの世界に堕ちていく位なら、

戦ってでも、命を散らしてでも、世直しをしていく。そういう気概って、若者とか、学生のほうがあるものなのかもしれません。

そうした意味でこの度数は、短絡的で稚拙で乱暴ではあるけれど、

どこか崇高で、力強くて、やはり獅子のパワーを感じさせるのです。

反対側の水瓶座の8度の度数は、美しい衣装を北蝋人形というところですが、

水瓶座ではこうした世の中と自分や、理想と現実の格差などに対して、

真っ向勝負で喧嘩するのではなく、仮想世界に身を置いたり、すぐに感情的に反応して短絡的な行動に出るのではなく、戦わずして自分の意向を成し遂げていこうとする更なるハイブリッド的な個性が育っていきます。

(また、水瓶座の解説の時に詳しくお話をします)

獅子座の場合はどちらかというと、まっすぐに真っ向勝負で、力業で、パワーを世の中に対してぶっつけていく感じです。

だから、玉砕することも多々あるのですが、獅子のパワーは、尽きることなく、

純粋でまっすぐなのです。