深海潜水夫
Deep sea divers.
サビアンにおける、6度から10度までの第2グループは、
1~5度までで、発露した、そのサインの本質を、この第2グループで深いところに落とし込み、使えるものにしていく過程が起こっています。
サインの性質を深く感じ切り、内なる熟成を経て、自らのものにしていくのです。
蠍座の1~5度では、他者と深く関わることにより、深い感情体験をして、その深い体験を通して、自分自身すらも気づいていなかった自らの性質に出会っていくことになります。
また、誰かや何かと深く関わることを通して、超えられない壁があることや、その本質が、自分自身の意識の奥にあることも分かるようになります。
私たちは深い感情体験をすることによって、自分自身の中にある本当の望みや願望にも出会っていくことになります。
これは、深く誰かと関わることをせず、自らの表層の意識しか触れたことが無い段階ではなかなか発見することのできない望みであり、欲求なのだと思います。
一つ前の蠍座6度では、ゴールドラッシュという度数で、
自らの深い感情に触れたことにより、出会う大きな壁。そして、その壁を突破していこうとする強いパワーが生まれている場面です。
このように、蠍座6~10度までの第2グループでは、強い感情の作用を使って、超えられない壁を越えていくことで、力を手に入れていくのです。
天秤座は、鳩の視点、蠍座は鷹の視点というお話を天秤座の章でしましたが、天秤座は、この社会の中で、集団の中で、調和し、相手との円滑なやり取りをするための知恵とスキルを獲得していくサインでしたが、
蠍座では、今度はこの社会と集団の中で、自らの欲しいものを掴み取り、
そこに一点集中していくための「力」を手に入れるステージなのです。
これには、知性やロジックだけではどうにもならない部分があり、
誰かや何かと深く関わることにより得られる、強い「感情のパワー」を必要とするのだと思います。
ゴールドラッシュの場面では、自らの描いた夢に向かって、一心不乱、夢の世界の住人となり、それを手にするために、それ以外のすべてを捨てる、捨て身の覚悟で挑んでいる場面が描かれています。
私たちは、思考や知性が勝っているとき、決してこの状態にはなれないのです。夢を描き、そこに強い感情のパワーが生まれたとき、私たちは、夢の世界へ「移行」を果たすのです。
それは、ある種、危険とリスクを伴うことでもあるのですが、
蠍座で手に入れていこうとしているパワーとは、まさにそういうものなのだと思います。
蠍座7度は、深海潜水夫となっています。
サビアンで海が出てくるときは、私たちの感情や、心、無意識の世界を表します。
その無意識の世界に深く深く潜っていく様子が描かれているわけです。
深海潜水夫とは、プロの潜水夫ですから、真っ暗な深海に挑んでいく、
知識や、経験も持っているのでしょう。
一つ前のゴールドラッシュで、強い感情のパワーを逆手に使って、
現状を打破し、夢を実現していこうとする過程を経て、自らの深い意識に出会い、それを活用することが出来るようになってくるのがこの度数だと思います。
私たちは自らの深い意識に潜り、更に深く深く潜っていくと、
個を超えた、集合無意識の世界へと、到達していくようになります。
集合無意識は、個人だけの意識ではなく、集団の意識、社会の意識、地球の全体意識といった、全体的なものになってきます。
こうしたものを感じ取り、今度は集合無意識を逆手に活用していこうとする過程がここでは描かれています。
ゴールドラッシュで、夢を見る側から、夢の世界の住人になり、そこへブレイクスルーしていく過程がありますから、相当な精神的な危機を体験してきているのです。
そして、この潜水夫の度数では、こうした精神の危機的状態を、なんとか乗り越え、プロの潜水夫として波乗りするようになっていくのでしょう。
こうして、危険を冒しても、深い無意識の領域へと挑んでいったものは、
集合無意識の作用を、人生に活用していくようになります。
これが、蠍座で手に入れていこうとしている、「力」の源流なのではないでしょうか。
私たちは無意識の作用を、力として使うことが出来るようになると、
意図したものを創造したり、引き寄せたりといった、現実化がまず、可能になります。
更に、集合無意識を活用することで、人の心に訴えかけたり、集団に働きかけかけたりすることも可能になるのです。
蠍座1~15度までの前半で手に入れていこうとしているテーマは、
強いフォースを手に入れることで、相手や集団、社会に対して、自らの力を示し、欲しいものを手に入れていくための力の獲得なのです。
そこへ向かっていくために、このあたりの度数では、危機的なほどのリスクを冒しても、感情の海へと潜っていく過程が描かれているのです。