巣を作る猟鳥
Game birds feathering their nests.

6度から10度までは5度区分における第2グループの始まりです。

蟹座の第1グループでは、蟹座の主たるテーマである、個人としての自我を埋没させ、共同する意識に従属していく、共同して生きることについて、 自我の破壊が起こり、蟹座のテーマに一直線に入っていく流れが描かれていました。


第2グループはサビアンにおいて、そのサインの性質を、感情や心の要素を練り合わせて、感じきっていくことで、深いところに落とし込んでいく流れが起こります。


蟹座はもともとが、心や感情のサインですから、この第2グループでは 最も蟹座らしい、本能的で情動的な性質が際立っている世界観が描かれているように思います。


蟹座におけるもっとも究極的な感情の世界はこの第2グループでとてもストレートに表現されているのではないかと思います。

らの周りのエネルギーを取り込み、自分の輪郭を明け渡して奉仕します。

6の数字は、そのことで自分に輪郭を知り、また同時に、自分の輪郭を犠牲にしても、相手に尽くすということもするのです。


6の数字は、環境や周囲と関わり、関わることで、自分の輪郭について触れていきます。


蟹座の6度は巣を作る猟鳥となっていて、鳥が一生懸命、巣を作っている様子が描かれています。

ここで登場する鳥は、自分の羽毛をむしって、巣を作る性質があるそうで、 自らの子供たちをふかふかの暖かな巣で育てるために、自らの毛をむしるのです。


愛するものを守るために、喜んで自分を犠牲にする姿が描かれているのです。


一つ前の度数で、自我が集団の意識に大破し、砕け散る様子が描かれていましたが、誰かと共に生きる事、誰かのために生きる事、誰かのために自分を犠牲にすること。


こうした生き方が現代社会ではとかく、古い生き方、悲しい在り方と言われがちですが、自分のためにだけ生きることの空しさというものがあるように思います。


自分の意志のままに、思い通りに、自由のままに生きられることは本当に、良いことなのでしょうか?それは本当の意味での自由なのでしょうか。


誰かのために、自分の毛を一本一本むしって、誰かを守るために安全で温かい巣を作ること。それは、悲しい生き方なのでしょうか。


ここで、自らの毛をむしっている鳥は、決して嫌々、仕方なくやっているわけではなく、喜びと歓喜をもって、そうしているように思います。


誰かと意識を共にすること、誰かのために生きる事、誰かのために自分を犠牲にすることの喜びというものがあるのだと思います。


そして、こうした状態にあるとき、私たちはこの世で究極的な喜びと、深い感情を感じるものなのではないでしょうか。


そして、その深い感情を感じきる体験こそが、この世での本当の意味での自由の境地に触れることなのではないかとすら思います。


地球上に生きる私たちは、人間だけでなく、哺乳動物をはじめとした多くの生物が、こうした生殖活動や、子育て、そして、家族単位で暮らす形式をとっています。


自らの子供を守ることや、家族のために生きることは、人間だけでなく、動物たちも含め、私たちの本能なのだと思います。


こうした生きる場。を作ること、子供たちや家族との安心して安定して暮らすことが出来る、巣作り。それは、私たち地球に生きるものの本質的な在り方であり、 それは、感情の究極的な体験なのだと思います。